MARCH附属高の合格者は最上位クラス

MARCH附属校のレッドオーシャン化は、現場で教えている私もひしひしと感じます。20年前の合格者平均点が、現在では合格者最低点になった感覚です。

その激戦ぶりを象徴する資料があります。難関私立大附属校受験に強い、ある大手塾の校舎のクラス別合格先の一覧です。

4クラスのうちの最上位クラスは選抜制です。

日比谷、西、渋谷幕張、開成、慶應女子、早稲田本庄、早稲田実業、早稲田高等学院、明大明治、明大中野、中央大高校、立教新座とそうそうたる顔ぶれが並びます。早慶附属だけでなく、MARCH附属校も最上位クラスが稼いでいることがわかります。

これが2番手以下のクラスになると、景色は一変します。

MARCH附属校の合格はごく少数を除いて消え、日大、東海大、専修大、駒澤大、国士舘大といった中堅私立大の附属校か、併願優遇で押さえ校として利用される中堅~中下位の私立高校が並びます。

中堅都立高校レベルでも散ってしまう

一方で、3番手や4番手のクラスであっても、手堅く都立高校を志望してきた生徒は、3番手系以上の都立高校への進学を果たしています。3番手系の都立高校は、真ん中の学力を保てばMARCHに進学できます。

ここに、MARCH附属校を目指すことの大きなリスクが浮き彫りになります。

手堅く都立高校を狙えば、3番手系以上の都立高校に進学できた学力層が、「早慶附属は無理でもMARCH附属なら」という淡い夢を抱き、高校入試で最も激戦のMARCH附属市場に参戦して、ほとんどの受験生が散っているのです。

大学附属校を希望していて、早慶附属校レベルまで学力で突き抜けることができそうにない場合、MARCH附属校受験は、レッドオーシャンに突っ込む覚悟が必要です。今後、どうなるかはわかりませんが、しばらくは人気の高止まりが続くような気がします。

どうしてもMARCH附属校への志望変更を強く望む場合、先ほど紹介した法政第二や法政国際の書類選考入試を検討するのがいいでしょう。積み重ねてきた学習の方向性と入試のギャップを冷静に分析して、無理のない範囲での志望校選択を心がけましょう。