首都圏の高校受験市場で私大付属校の人気が高まっている。Xのアカウント「東京高校受験主義」で受験情報を発信する東田高志さんは「私立大学の定員厳格化の影響で、MARCH附属高校の人気と難易度が高まっている。『早慶附属は無理でもMARCH附属なら』という淡い夢を抱いてはいけない」という――。

※本稿は、東京高校受験主義『「中学受験」をするか迷ったら、最初に知ってほしいこと』(Gakken)の一部を再編集したものです。

中学生で勉強を詰め込む学校
写真=iStock.com/Milatas
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MARCH附属高校の難易度は…

早慶大に次ぐ有名私立大が、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学のMARCHです。MARCH附属校の入試難度は、学校によって大きな差があります。

特に、明治大学付属明治高校と立教新座高校は、早慶附属校に近い高難度です。立教新座は、早慶附属校を第一志望とする男子生徒にとっての前哨戦となることが多く、入試問題もハイレベルです。このため、早慶附属校を目指すものの届かなかった生徒が多く入学する傾向にあります。女子は青山学院高等部が別格の難度で、早慶附属に匹敵するレベルの高さです。

他方、明治大学付属中野、明治大学付属中野八王子、中央大学附属、中央大学高校、中央大学杉並、中央大学附属横浜、法政大学高校、法政大学第二高校(以下、法政第二)、法政大学国際(以下、法政国際)などのMARCH附属校は、それぞれ独自の特色を持ちつつも、おおむね大きな難度差はありません。

生徒の個性に合わせてルートを選べる

MARCH附属の入試は、早慶附属校以上に多様性に富んでいます。

たとえば、法政大学の附属校には、それぞれ異なる特色と入試方法があり、受験生は自分の強みを生かした戦術を選ぶことが重要です。

法政大学高校では、内申点と偏差値のバランスが良い生徒が推薦入試と一般入試の両方に挑戦できます。推薦入試は内申点(評定)38/45以上が要件で、適性検査と面接で合否が決定します。推薦入試で不合格でも、一般入試では推薦入試受験者に加点があります。

法政第二高校や法政国際高校の書類選考入試は、中学校の成績が優秀でも模試の偏差値が低い生徒に適しています。内申点(評定)が42/45程度あれば、英検などの加点を含めて合格が狙えます。学力検査がないため、中学校の成績に特化して勉強した生徒に合った入試です。

学力に自信がある生徒は、法政第二高校や法政国際高校の一般入試が適しています。この入試は学力検査の点数のみで合否が決まるため、テストでの高得点が合格のカギです。

受験生は自分の強みや学習ルートに合わせて最適な入試方法を選択しましょう。