「同世代より稼げていない自分は終わってる」
芸人の仕事がなくなって何もしない時間が増え、きちんとお金を稼いでいる同世代と自分を比べてしまったのです。
結果を出せないまま芸人を続けてきて、もうアラサー。「稼げていない自分は終わってる」と悩む毎日……。この時期は、毎晩のように「終わった、終わった」と言いながら家のまわりを深夜徘徊していました。
さらに、当時の「サンプル」はものすごく仲が悪かった。南のことは面白いと思うけど、コンビという関わり方だと上手くいかないと思ったのです。それで、「サンプル」を解散することになりました。
解散をきっかけに「ちょっと違うことをしてみるか」と取り組み始めたのが、今の仕事に繋がる「動画編集」でした。知識のある芸人仲間にノウハウを教わり、ひたすら勉強。「給付金の10万円がなくなるまでに稼げるようになる」と決意し、バイトを辞めて退路を断ちました。タイピングもできないような状態から、死に物狂いでパソコンに向かう日々。
住人の3分の2が働いていない家でモチベーションを保つ
僕の仕事場は、リビングに接しています。がんばる僕の横で、ルームシェアしているニートの野尻は「Apex」や、友達を呼んで麻雀に興じていました。「ツモォォォ!」とか聞こえたときは、めちゃくちゃムカつきましたね(笑)。
そんな状態にも今は慣れ、生活音があったほうがむしろ仕事がはかどるようになりました。いきなり『ドラゴン桜』の話をして申し訳ないんですけど、この漫画でも「子どもはリビングで勉強させたほうがいい」といっていました。向き・不向きはあると思いますが、自室にこもるよりオープンな場所で作業したほうが集中できる人もいるそうですよ。
同居している野尻と南が働いていないので、「その状態でどうやって働くモチベーションを保っているの?」と聞かれることがあります。
その答えは、「すごい人になりたい」から。
僕は多趣味の野尻とは違って、酒と散歩くらいしか趣味がありません。
むしろ仕事が好きだし、「すごい人になりたい」ならやるしかない。そういう思いで働いています。