不登校YouTuber・ゆたぼんの言動を、ネットメディアがたびたびニュースにしている。コラムニストの木村隆志さんは「ネットメディアにとって好都合の存在のため、話題性は高い。だが、動画の再生数は落ち、収益モデルは限界にある。いまこそ、大人がサポートするべきときだ」という――。
14歳のYouTuberの言動になぜ大人が反応するのか
今月12日に14歳の誕生日を迎えた不登校YouTuber・ゆたぼん。本来なら中学校に通っている年齢だが、“少年革命家”を名乗る彼は小学校3年生のときから「不登校の自由」「不登校は不幸じゃない」という主張を貫いている。
YouTubeの登録者数は15万人あまりで、SNSのフォロワーもツイッターが8000人、インスタグラムが6000人に満たないレベル。人気YouTuberやインフルエンサーと比べると明らかに少ないのだが、ネット記事の数では逆に上回っている。
「アンチが多いだけ」「炎上ビジネス」などの批判は多いが、それは的を射ている一方で、一部に過ぎないのかもしれない。なぜ、ゆたぼんはここまで記事になるのか。「嫌いなら放っておけばいい」のに、なぜわざわざ叩こうとするのか。
ゆたぼんがネットで叩かれるワケ
それらを考える上で、まず踏まえておかなければいけないのは、ゆたぼんをめぐる記事やコメントに多数の論点が混在していること。
「不登校の捉え方」「親の子育てと教育」「子どもに稼がせること」「再生数を稼ぐための方法」「子どもへの誹謗中傷」など、さまざまな角度から記事やコメントが飛び交うことで、人気YouTuberやインフルエンサーと同等レベルの発信力や存在感を得ている。
その言動の是非はともかく、発信力や存在感を得るためのロジックとしては、すべてを否定しづらいのではないか。