「バカな人」ほど搾取される
残念ながら、この国は頭の悪い人、テレビが流す情報を考えなしに信用するような「情報弱者」はひどい目に遭う国です。
テレビというのはスポンサー、つまり金持ちに握られているメディアです。当然、金持ちの味方をしています。
売上の出どころは100%税金で、なおかつ社長が異様なほど羽振りのいい生活をしている建設・土木業の会社が、地方にはたくさん存在します。
そんな生活ができるのは、税金から不当に利益を得ているからにほかならないのですが、テレビがそれを追及することはありません。その一方で、公務員の給与や生活保護の受給者が増えることについては、「税金泥棒」と言わんばかりの勢いで糾弾します。
企業がこれほど多額の内部留保を抱えている状況でありながら、テレビは消費税を上げるより法人税を上げるべきだとは言いません。
「法人税を上げると国際競争力が低下する」という論理でそれを正当化していますが、あのトランプ大統領によって2018年に法人税が引き下げられるまでは、アメリカは欧米でもっとも法人税が高く、消費税が10%を超える州もないのに、世界でもっとも国際競争力の高い国だったという事実は、そこでは無視されています。
テレビに洗脳される地方の住民
さらに言えば、テレビは東京偏重で、「地方いじめ」を平気で行います。
たとえば「高齢者から自動車の運転免許を取り上げるべき」とか「飲酒運転を厳罰化すべき」「(前日お酒が飲めなくなる)朝のアルコールチェックは大歓迎」といった論調を後押ししていますが、そもそも東京と地方では交通事情がまったく異なります。
交通量や歩行者の多い首都圏で、高齢者の運転や飲酒運転の危険性が高いのは当然のことでしょう。しかし、道に人がほとんど歩いていない地方の道路で、それらの運転を同じ基準で取り締まり、そこに住む人たちの唯一の移動手段を事実上奪うことが、絶対的に正しいことと言えるでしょうか。
ワインの産地として名高いアメリカのナパ・バレーでは、誰もが車でワイナリーを巡ってテイスティングをしています。当然飲酒運転です。1回のテイスティングで6グラスを飲めばハーフボトルになります。それを何軒も回るのです。
地域事情に合わせてそれを取り締まらないことが可能になっているわけです。逆にニューヨークのマンハッタンでは、飲酒運転で車が没収されることもありました。それが地方自治というものなのに、日本ではそれを一切認めようとしません。
根が深いのは、当事者である地方の住民自身が、テレビの洗脳によって「高齢者の運転や飲酒運転は悪」だと思い込んでいることです。
飲酒運転を厳罰化するなら、飲酒運転を誘発したり、アルコール依存症(こういう人はお酒をやめられないので、飲酒運転の常習犯です)の人に悪影響を与える可能性のある酒類のCMを流すことをやめるべきだと思いますが、日本のテレビ局はスポンサーのために、世界保健機関(WHO)による再三の勧告さえも無視して酒を美味しそうに飲むシーンを含む酒類のCMを流し続けています。
国民の大多数がテレビの信者になって、消費税は上げて法人税は下げるべきと言い、生活保護受給者は叩いても悪徳な土建屋は叩かず、高齢のドライバーや飲酒運転者は人非人のごとく責め立てて、貧乏人いじめや地方いじめに加担する。それがこの国の現状です。