「日本経済再興」にはなにが必要なのか

プレジデントオンライン編集部では、9月26日に経済同友会・代表幹事の新浪剛史さんと経済学者・成田悠輔さんの公開対談を実施します。テーマは「日本経済再興」です。これはPRESIDENT創刊60周年記念フォーラム「未来創造フェスティバル」のプログラムのひとつで、参加費は無料です。

経済学者の成田悠輔さん
経済学者の成田悠輔さん

この記事では、特別対談の企画の経緯をお伝えします。ひとつのきっかけは、2022年10月、成田悠輔さんが、やはり経済同友会の代表幹事(当時)だった櫻田謙悟さんとビジネス映像メディア「PIVOT」で行った「日本再興ラストチャンス」という対談動画です。

櫻田さんは、経済同友会を通じて、日本再興に向けてさまざまな提言をされています。その前提は「今を逃すとものすごい勢いで衰退していくのでは」という強い危機感だといいます。やるべきことはもう何度も議論されてきたが、変わるのが嫌で実行できていない。それはなぜか。

対談では、「新卒・メンバーシップ型の就職スタイル」「硬直化した大学間の序列」といった戦後に作られた価値観やルールの耐用年数が過ぎていることを指摘されていました。実際に、経済同友会は「新卒の一括採用や終身雇用は見直すべき」という前提で、具体的な改革策を提起しています。

また、櫻田さんは、「経済大国を目指し続ける現状維持の発想ではなく、それ以外の価値観を新たに考えるべきではないか」として、「ハピネス」を指標にするべきではないかという提案がありました。

「経済同友会の解散」と「重鎮経営者の引退」

一方、成田さんからは「経済同友会の解散」と「重鎮経営者の引退」という刺激的な提案がありました。成田さんは物理学者のマックス・プランクの「科学は葬式のたびに進歩する」という言葉を引きつつ、「この言葉は物理とか科学だけではなくて、社会や人間一般についてもいえるのではないか。そう考えれば、社会に大きな変化をもたらすには、これぐらいの冗談のような方法が有効なのではないでしょうか」と述べられました。

経済同友会は、日本経団連、日本商工会議所と並ぶ「経済3団体」のひとつです。そのトップである代表幹事は、言うまでもなく経済界を代表する人物です。その財界トップに対して、「解散と引退が必要ではないか」と提案するというのは、前代未聞です。

ただ、経済同友会は「企業経営者が個人の資格で参加している」という成り立ちもあり、経済3団体のなかではリベラルで自由な風土があります。櫻田さんは「『解散』というのは刺激的ですが、意図は大いに賛成します」としたうえで、「経済同友会を再出発させる一つの動きとして10代から70代までが参画する『未来選択会議』を発足させています」と応答されていました。

2023年9月25日(月)~26日(火)に東京国際フォーラムにて「未来創造フェスティバル」を開催

いつもビジネスリーダーのために──。PRESIDENTが創刊以来、大切にしている理念です。変化がめまぐるしい今、昨日までの自分に甘んじず、成長し続ける人こそが、真のリーダーであり、「未来を創る」ことができます。そこで今回、PRESIDENTは創刊60周年を記念し、支えてくださる皆さまに新たな羅針盤をお届けするべく、2023年9月25日(月)~26日(火)に東京国際フォーラムにて「未来創造フェスティバル」を開催いたします。各界を代表する方々による生の熱い講演をお楽しみください!

▼参加費無料▼