安倍晋三氏とはどんな人物だったのか。ライターの梶原麻衣子さんの著書『「“右翼”雑誌」の舞台裏』(星海社新書)より、『月刊Hanada』の花田紀凱編集長との対談を紹介する――。(第2回)

岸田氏の話は面白くない

【花田】ぼくは自分が人の話を聞いて雑誌を作っている以上、人からの取材依頼もなるべく断らないようにしているつもりです。この間も、毎日新聞の吉井理記記者の取材を受けましたよ。

【梶原】〈保守層もソッポ? 岸田政権、不人気の正体 「リベラルと戦わない」「足りぬ伝える力」〉(毎日新聞デジタル版、2024年7月25日付)ですね。安倍元総理に比べて、岸田前総理の話が「面白くない」という花田さんのコメントが載っています。

【花田】実際、面白くないでしょう。見出しにならない。『Hanada』では岸田さんへの編集長インタビューを2回掲載しているけど、どうも面白くなかった。特に2回目は、1回目が面白くなかったからこちらもいろいろ工夫して、メガネをどこで作っているのかとか、理髪店のこととか聞いたりしたんだけど。

【梶原】ヘアモードキクチですよね、岸田さんの行ってる理髪店。

【花田】いくら揺さぶっても、面白い話が出てこないんだよね。原稿も見せるし、まずいところはカットしてくれればいいわけだから、と言うんだけれど。

【梶原】話がつまらないと、雑誌に登場してもらおうという気はなくなってしまう、と。

【花田】それはそうでしょう。つまらないものを読者に読ませたくないもの。

【梶原】総理在任時も、その後も多数登場している安倍元総理は話が面白かったってことですね。