一流はどうやって上司の暴走を止めているのか

この種の放置は、効率性が損なわれるだけでなく、チームの士気にも影響を与えかねません。割って入るを見て発言しようとしても、リスクが伴います。上司がその場で不機嫌になる可能性もあり、それが後で仕事に影響を与える場合もあるからです。

越川慎司『時短の一流、二流、三流』(明日香出版社)

一流は、「ありがとうございます」と言って上司の暴走を止めます。感謝の言葉を添えて上司を止めるのです。

「ありがとうございます、その点は大変重要ですね。ただ、時間も押しているので、次のアジェンダに移りませんか?」といった具体的な提案も一緒に行うことで、上司もスムーズに話を終えるきっかけを得ます。

一流が上手に時間を節約する理由は、無駄なことをやめようとする覚悟とスマートさがあるからです。感謝の言葉を選ぶことで、上司も無意識にその話を区切るきっかけになります。そして、その後の会議がスムーズに進むため、全体として時間を節約できるのです。

時短は速さと同時に品質を追及するもの

相手を不快に思わせずにコミュニケーションを取る技術は、他の多くの場面でも同様に効果を発揮します。

例えば、プロジェクトが遅れそうなときは、チームに対して具体的な指示を出すだけでなく、その指示がなぜ重要なのか、どういう結果を期待しているのかをしっかりと伝えてみてください。その結果、チームメンバーはその重要性を理解し、より早く、かつ質の高い仕事を行うことができます。

時短とはただ単に「速さ」だけではなく、「品質」も同時に追求するものです。そしてその両方を満たす方法が、一流のコミュニケーションに隠されているのです。

一流は、「承認+指摘+承認」の承認サンドイッチで止める
相手の状況を見て不快にさせずに行動を変えることで、時短を実現する
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