87%の社員が「管理職が一方的に話し続けるのを聞くのは苦痛だと感じる」という調査結果がある。クロスリバー代表の越川慎司さんは「上司の暴走を放置してしまうと、ただ時間が無駄にすぎてしまう。覚悟とスマートさをもって無駄を撲滅することが必要になる」という――。(第2回)

※本稿は、越川慎司『時短の一流、二流、三流』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

オフィスで指導するビジネスマン
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部下への指導ではなにを意識すべきか

部下や後輩の指導に多くの時間を費やしているものの、成果が出ない。このような悩みを持つ方は少なくないでしょう。時間を効率的に使い、それでいて成果を上げるには、指導の仕方に工夫が必要です。

部下や後輩からの質問を受けた際に、「それってどういうこと?」というように、その質問の意図を深く聞くのはおすすめできません。質問の意図だけを聞いていると、解決すべき具体的な問題点や、背後にある課題に気づきにくいのです。部下や後輩からの質問に対して、すぐに答えを教えてあげるのが一般的でしょう。

いわゆるティーチ(Teach 教える)です。これは緊急度が高いときには有効です。しかし、他の問題が発生したときも、また同じように指導者の助けを求めるようになります。自分で答えを導き出そうとせず、先輩や上司の答えを当てにします。これでは、言われたことしかやらない受け身の姿勢が身につき、長期的な成長は望めません。

一流は、答えの出し方を教えます。いわゆるコーチ(Coach)です。具体的な答えを与えるのではなく、問題解決のフレームワークや思考のプロセスを提供します。これによって、部下や後輩は自ら考え、自ら行動する能力が高まります。