「午後○時までに退社する!」

デンマーク人は午後3時を過ぎると、帰宅モードに入る。女性だけでなく、男性もである。これは、ある意味、「過酷」である。少なくとも、私にはキツい。

デンマーク人が効率的に働くのは、終了時刻がキッカリと決まっているからだ。しかも、終了時刻は、午後4時。子どもの習い事などもあるので、場合によっては、午後2〜3時だ。

朝出勤して、午後2〜4時という「終わり」を意識して、1日の時間の使い方を考える。

「終わり」が決まっているから、その時間までに終わらせる方法を考える。「〆切」があるから、エンジンがかかる。

その意味では、午後2〜3時とは言わずとも、デンマーク人のように、無理やりでも、「○時に帰宅する」と決めてしまうのは、生産性を上げるための良いアイデアである。

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ランチは30分! 勤務時間中は集中

帰宅時間が早いから、ゆっくりランチをしている時間はない。基本、ランチタイムは30分である。

こんな感じのイメージだろうか。

日本人の勤務時間は午前と午後に分かれているから、その間にゆっくりランチ休憩をとってエネルギーを充電する。デンマーク人は、1日1回だけ一気に働くので、ランチ休憩は最長30分で切り上げる。その代わり、早く帰宅して、しっかり休息をとる。

味気ないように感じるかもしれないし、実際に味気ないところもあるのだが、これは「仕事モード」を崩さないためには、有効だ。

気の利いたランチの選択肢があまりに少ないことも、この傾向に拍車をかける。日本のように、安くて美味しいランチが至るところにある誘惑だらけの環境では、ランチを選ぶ必要も出てくるし、ゆっくり味わいたくなってしまう。

ちなみに、デンマーク人のランチタイムは日本よりも少し早く、11時半〜12時半頃のイメージだ。

社内に食堂がある職場も多く、ランチタイムには、職場の人とプライベートの近況報告や仕事の情報交換をする。上司も部下も関係ない。

ランチの席に役職は関係なく、ひとりの人間として、あるいは家庭のパパ・ママとして、管理職もインターンもごちゃ混ぜになってカジュアルに会話を楽しむ。

そして、30分経つと、あっさりと仕事に戻っていく。1日の仕事の「終わり」を意識して。