「元気な声」は相手を疲れさせる

元気な声で営業して仕事がとれる時代はもう終わりました。

よく通る声でプレゼンされても長く聞いていられないし、説得されることもありません。

日本人は小さいときから大人になるまでずっと、「ちゃんとすること」をよしとされてきました。学校では姿勢良く、大きなはっきりとした声で話すとほめられます。

部活では元気に声を張り上げ、社会に出てからも明るく挨拶すると評価はアップ。

たしかにそれは素晴らしいことですし、好印象を与えるにはいいでしょう。

でも、そんなときの声は、実はとても緊張しています。とてもじゃないけれど、「自分本来の声」ではありません。

「軟口蓋がリラックスした声」は全然印象が違う

私たちは、人と関わるとき、少なからず緊張しています。

それはどんなに社会経験を重ねている人でも、どんなベテランであっても同じです。

しゃべりのプロであるアナウンサーだって、実は緊張をしているんです。「間違えてはいけない」「ちゃんとしなければいけない」と思うため、声が硬くなるのです。

声はメンタルであり、心の状態が素直に表れるものなのです。

硬直した声の波形をとると、とても偏っています。波形が偏り硬直した声を聞くと、聞くほうも緊張してしまい、疲れてしまいます。

軟口蓋がやわらかくリラックスしていると、人の心の奥深くまで届き、やさしく包まれるような声になります。

聞き比べるとわかりますが、軟口蓋を丸くした声で「○○さん、これ、やっといてくれますか」と言うのと、きつい声で「○○さん、これやっといてくれますか」と言うのでは、全然印象が違います。