現代人は体のバランスが悪くなっている
ストレッチトレーナーとして、体の不調を抱えた方を多く見てきました。肩こり、腰痛、ひざ痛……訪れる理由、痛めている箇所はさまざまです。
ですが、その人たちにはある共通点がありました。それは「全身のバランスが偏っている」ということです。
一定の箇所に偏りが出て、一箇所に負担が増えていくことで不調につながっていくことが大変多いのです。
この全身のバランスを改善していくために必要なのが「筋肉のつながり」の意識です。
筋肉どうしがどうつながっているのか、体を動かすときに筋肉がどう動いているか、それを知ることが、バランス改善の初めの一歩として重要です。
この「筋肉のつながり」は、筋膜で成り立っています。
ここで詳しくは語りませんが、筋膜は身体の中に広がる蜘蛛の巣のような組織で、これらが筋肉同士をつなげて全身を支える役目を果たしていると言われています。オレンジの薄皮が筋膜、実が筋肉だとイメージしていただくとわかりやすいかもしれませんね。
筋肉同士をつなげる「筋膜」を使えているか
この筋膜を通して身体を見ると、今まではわからなかった「全身のバランスを総合的に見る」ことができるようになっていきました。
私はこの筋膜をもっと学びたいと思い、筋膜に対するアプローチで有名なアメリカの学校に留学までしました。そこでは身体を本来の位置に戻す筋膜アプローチや、身体を効率的に動かすための動作教育を徹底して学びました。
筋肉同士の連動を知り、全身をバランスよく見ていくことが、日常動作や運動時のパフォーマンスアップにつながります。
例えば、ストレッチをしても姿勢改善しないのは、前面(前のつながり)だけを伸ばしがちだったり、逆に背面(後ろのつながり)に偏ったりすることで、身体がアンバランスになるからです。
では、どのつながりを意識する、あるいは鍛えればいいのか。
腰痛、肩こりなど身体に不調を感じる方、怪我をしやすい方などにぜひ知っていただきたい「筋肉のつながり」についてご紹介していきます。
それぞれの不調の改善のヒントや予防になりましたら幸いです。