ひざを痛めやすい人は「体の側面」が使えていない

③ひざを痛めやすい方、体幹が弱い方は「横のつながり」を特に意識

「横のつながり」は身体の側面で前後をつなぎ止めているジッパーのようなイメージをすると良いです。このジッパーが緩むことで身体の前後に広がりが生まれ、バランスがとりやすくなります。特に肋骨ろっこつから股関節にかけてのつながりが緩むことで、呼吸の深さや、体幹のコントロールに良い影響があります。さらに股関節の横の3つの筋肉は骨盤の前倒・後傾の改善には重要です。

身体の側面をストレッチするには、片手を真上にあげて、反対の手で手首を掴み、あげた手の方の身体の側面が伸びるように真横に倒しましょう。

基本的には脇から骨盤までに伸びを感じると思います。慣れてきたら骨盤を横に押し出すようにすると太ももの側面にも伸びを感じることができます。このストレッチのポイントはとにかく真横に倒すことです。真横に倒しているつもりでも気づかずに斜め前に倒している人が多いので注意しましょう。

腰痛
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

ストレッチ動画では効果を感じづらい理由

ネット上にはたくさんのストレッチ動画やエクササイズ動画などがあります。どれも素晴らしいものですが最終的にはそれを行う本人に合っていなければ意味がありません。

きまたりょう『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑』(KADOKAWA)
きまたりょう『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑』(KADOKAWA)

肩が凝る理由を単純に肩周りだけと考えるのか、それとも「筋肉のつながり」を理解して下半身や腕などのケアをするかでは結果は大きく変わります。

「筋肉のつながり」は今まで一部の専門家だけが知っているものでした。ですが専門家だけでなく、普段身体を動かしている一般の方でもなるべく理解できるようなイラスト豊富な本を作りましたので、詳しく知りたい方は是非拙著『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑』(KADOKAWA)をお読みいただければ幸いです。

筋肉のつながりを知り、「全身を総合的にみる」という意識をつかむことが、スポーツのパフォーマンスや怪我予防などに非常に重要です。

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