通学区域の自由化で明暗が分かれる
【近畿】
滋賀県は彦根東が一中だが、膳所が全国有数の京大合格者数で優位に立つ。
京都府では総合選抜で洛北など公立が凋落し、東寺系の洛南、カトリックの洛星が優位。しかし、京都市立の堀川が受験校を目指して短期間で大成功。一中だった洛北も中高一貫が成功して復活。
大阪府は北野が全国の公立で最高水準の実績。天王寺や大手前も有名校。私立ではカトリック系の大阪星光がトップだが、隣接府県の私立にも流出。
兵庫県は姫路西が一中的存在だが、二中である神戸が兵庫県立神戸一中(神戸市内の一中という意味)と称して紛らわしい。灘は東大合格者数では開成、筑波大学附属駒場に続き、理Ⅲについては全国トップ。公立では神戸、長田、姫路西が拮抗している。
奈良県は一中だった郡山より奈良が躍進。私立では東大寺がトップだったが、西大和が京大で健闘し始め、いまは東大への進学でベストテンに入る。大阪の私立がいまひとつなので奈良の私立に流入しているようだ。
和歌山県では桐蔭も盛り返しているが、私立の智弁学園和歌山が大阪府南部からも生徒を集めて優位。高校野球でも全国有数の名門だ。
夏目漱石が教鞭をとった松山東が復活
【中国・四国】
鳥取県では鳥取西がダントツだが、数としてはそれほどでもない。
島根県では松江北が優位を保つ。かつては松江南も健闘していた。
岡山県では岡山朝日が通学区域の自由化で復活。それに次ぐのが私立の岡山白陵高校。
広島県では、広島国泰寺が一中だが公立高校の総合選抜制で進学校としては無力化。カトリック系の広島学院や修道など私立や広島大学附属、同福山高校が優位。
山口県は山口が優位で、ユニクロの柳井正がOBの宇部がそれに次ぐ。
徳島県では城南が一中だが通学区域自由化後も県が強化策を図らず城東がトップに。徳島文理、徳島市立も健闘。
香川県では、菊池寛や三原脩がOBの高松が県下一を維持し、丸亀がそれに次ぐ。
愛媛県は学区制が緩和されて夏目漱石が教鞭をとった松山東が復活しているものの、私立のカトリック系の愛光がトップ。
高知県は総合選抜制で高知追手前が見る影もなくなり、甲子園でも活躍する土佐など私立が優位。