修学旅行のルーツは現・宇都宮高校の東京見学

【関東】

茨城県では水戸城三の丸跡にある水戸第一と、筑波研究学園都市などで成長した土浦第一が競っている。

栃木県では宇都宮が優位。栃木県第一中学校が1881年に東京・上野で行われた第2回勧業博覧会を見学に行ったのが、修学旅行のルーツともいわれている。

群馬県では前橋と高崎がライバルで、前高(まえたか)・高高(たかたか)の定期戦が各種競技で開かれる。

埼玉県では浦和が全国の公立の雄。ノーベル物理学賞受賞の梶田隆章が出た川越は三中。

千葉県の千葉も公立の雄だが、トップは私立の渋谷幕張に譲っている。

東京都の日比谷は、1950~60年代は東大合格者数で日本一だったが、1967年に「日比谷潰し」と呼ばれた学校群が導入され、翌年には灘に抜かれた(灘は132人、日比谷は131人)。2014年以降、公立としてはトップに復活した。

都立日比谷高校通用門と校舎、東京都千代田区永田町
都立日比谷高校通用門と校舎、東京都千代田区永田町(写真=Rs1421/CC-BY-SA-3.0,2.5,2.0,1.0/Wikimedia Commons

岸田首相の母校・開成は、1977年から東大合格者数トップ。筑波大学附属駒場が質的には優位ともいわれる。悠仁さまは旧高等師範系の筑波大学附属。美智子上皇后の父上の母校でもある。

神奈川県の一中は希望ヶ丘だが、中心部から保土ケ谷に移転し凋落。石原慎太郎が卒業した湘南が優位だったが、現在は横浜翠嵐。私立では栄光学園に代わって聖光学院がトップに。いずれもカトリック系。

山梨は甲府第一が低迷し、群雄割拠

【中部】

新潟県では新潟が圧倒的優位。二中は雅子皇后の祖父が校長を務めていた高田。

富山県では富山、富山中部、高岡が御三家だが、富山中部が交通便利で富山大学附属中に近いこともあって優位。

石川県では金沢泉丘が安定しているが、国立の金沢大学附属も健闘。高等師範が1944年に開校したので設立された(旧師範系の附属は中学までが原則)。

福井県は歌人の俵万智を輩出した藤島が優位だが、中高一貫のコースを持つ高志も健闘。

山梨県の甲府第一は低迷し、甲府南、吉田が健闘していたが、最近は、単位制・講座選択制を採り入れた甲陵高校が実績を重ねている。

長野県は松本深志が一中。長野と競うが長野がやや優位。

静岡県では静岡と浜松北がほぼ同等の実績。東大より京大のほうが多い。

愛知県では旧制時代から公立の雄だった旭丘が健在だが、学校群制度のために圧倒的優位ではない。岡崎も東大合格者数で全国有数。私立では浄土宗系の東海が強い。

岐阜県では岐阜が他校を圧するが、愛知の私立などにも流出。

三重県では津よりも四日市が優位。浄土真宗高田派の本山があり高田高校も健闘。