素数の並びと宇宙の法則のナゾ

NHK「笑わない数学」制作班編『笑わない数学』(KADOKAWA)

最後に、数学と量子物理学の意外なつながりを紹介いたします。

1972年、数学者ヒュー・モンゴメリー博士と物理学者フリーマン・ダイソン博士の偶然の出会いが、まったく予想もしなかった新発見をもたらします。

モンゴメリー博士は、他の数学者とはまったく違うアプローチでリーマン予想を研究していました。博士はばらばらな素数と関係があるゼロ点なのに、「ゼロ点同士の間隔」は比較的均等に並んでいると気づいていました。

そして、モンゴメリー博士は次の「ゼロ点の間隔を表す式」を発見します(図表12)。

出所=『笑わない数学

そのことを知ったダイソン博士は大変驚きました。なんとその式は、ウランなどの重い原子核のエネルギーレベルの間隔を表す式とそっくりだったのです(図表13)。

出所=『笑わない数学

素数に関するゼロ点の間隔と、宇宙を構成する原子の中心にある原子核のエネルギーレベルの間隔に不思議なつながりがあるという大発見は、世界中の数学者たちを突き動かすことになりました。

素数の並びと宇宙の法則。この2つに一体どんなつながりがあるのか。研究者たちは今もその謎を追い続けています。

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