若手はプレゼンが上手い人が多いが…

このような傾向を見てくると、最近の若手社員はさぞかし自己主張や自己発信をする力がないように思えてきますが、実際はそうではないのが面白いところでもあります。それが垣間見える一例として、最近の若手社員は総じてプレゼンが上手だということが挙げられます。

伊藤誠一郎『部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです 若手社員は「肯定」と「言語化」で自ら動き出す』(日本実業出版社)

私のプレゼン研修では、メリハリのあるはっきりとしたスピーチで自分の考えを堂々と伝える若手が目立ちます。むしろ上司世代のほうが、ポイントが絞り切れずに情報が多く、いわゆる「結局、何が言いたいのかよくわからないプレゼン」が量産されます。スピーチも不慣れな様子の人が多く、言い間違いや言い直しが頻発することも相まって、不明瞭さに拍車がかかっている光景を目にします。

プレゼン力を見るかぎりでは、完全に若手社員に軍配が上がるのですが、ただ極度に緊張している人が多く、やはり人から注目を浴びることを不得手にしている様子が見てとれます。外から見ると見事に自己主張や自己発信ができているにもかかわらず、内心は張り詰めた緊張感を持っているというのも若手に多い一面です。

ここでも若手社員によるプレゼンの工夫や秘訣が周囲にも還元されることで、「若手社員も含めてみんないい」という新たな組織づくりの風土に結びつけば言うことなしです。

【POINT】
若手の成功はこっそりほめるか、全体に共有して還元する
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