子供のやる気を引き出すには、どうすればいいか。教育家の小川大介さんは「『100点取ったら○○を買ってあげる』というご褒美作戦はよくない。テストの結果よりも、努力した過程をほめるようにしてほしい」という――。(第2回)

※本稿は、小川大介『子どもの頭のよさを引き出す親の言い換え辞典』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

100点の答案用紙
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

安易な「ご褒美作戦」は逆効果

・思わず言ってしまいがちな言葉
100点取ったら○○を買ってあげる

・子供に届く言葉
がんばったら100点が取れて良かったね!
約束通り○○を買ってあげるね

・小川先生のひと言
結果ではなく、「がんばったこと」に注目して声をかけます。

自分から進んで勉強をはじめてくれたら――。親なら誰でも願うことですが、現実は理想とはほど遠い。そんなとき、苦肉の策として使いたくなるのが「ご褒美作戦」です。

「子どもの勉強をモノで釣ってもいいの?」と心配される親御さんもいらっしゃるでしょう。実際、私のところにも「やる気を出させるために、ご褒美を与えてもいいでしょうか?」というご相談をよくいただきます。結論から言うと、ご褒美作戦はやる気につなげる第一歩として、限定的に使うぶんには有効ですが、繰り返すとマイナス効果のほうが大きくなります。

ご褒美を得ることが目的になってしまい、自分で学びを得て成長するという勉強本来の喜びを味わえなくなってしまうからです。

長期的に見て、「成長しない子育て」になってしまう危険があります。ご褒美作戦は、なかなか勉強に気持ちが入らない子のやる気向上のとっかかりとして使うだけにして、動き出した後はがんばる気持ちをほめて育てるのがセオリーです。ご褒美をあげるときには、渡す言葉にも気をつけてください。