「あと何点必要なのか」という声かけが重要

まず冒頭で取りたい点数を伝えます。目標とも言えますね。次に現時点では何点くらいなら取れそうか本人の気分を聞きます。たとえば「85点くらいかなぁ~」と言ってきたら、「そうか。じゃあ、あと15点だね」と達成に必要な残りの点数だけを伝えます。

「100点を取る」という大きな目標を掲げるのではなく、「あと15点だけ点数を上げればいいんだ」とがんばる対象を絞るのがここでのポイント。「あと15点分だけがんばればいいのか」とハードルがグンと下がることで、「それならできるかも」と思えるようになるからです。

では、別の答えが返ってきたら、どうすればいいでしょう。「何点くらいなら取れそう?」という質問に対し、子どもから返ってくる反応は主に3つです。

1.具体的な点数を言う
2.「100点!」と深く考えずに希望的、楽観的な点数を言う
3.「わからない」と答える

一つは先のように具体的な数字を言うパターン。二つ目は「大丈夫! 100点取れるって!」など、楽観的な答えが返ってくるパターン。根拠があればいいのですが、この場合は深く考えずに希望的観測を答えているだけの可能性もあります。

そこで、「今回はどんな問題が出そうかな?」という質問をするのです。

パソコンを使用する子供と母
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「どのくらいできるか」を明確にするべき

「計算問題は何問くらい出そう? どのくらいのスピードで解けば良さそう?」と具体的にテストの内容を予想させる問いかけです。ここでスラスラ説明してくれたら、おそらく自信がある証拠。本人に任せていいでしょう。

でも、ちょっと大雑把だったり、詰めが甘いなと感じたりしたら、「じゃあもう一回、テストの範囲を確認してみようか。その方が安心だもんね」と高く見積もりすぎている部分に気づかせてあげましょう。また、「わからない」と返ってきたら、少していねいにフォローしてあげてください。

まず「前回のテストはどうだったんだっけ?」とこれまでの実績を確認します。次に「今月の勉強はどんな感じ? わからないところはある?」と今の状態を一緒に見てあげて、「これはできているから、もう大丈夫だね」「これは難しく感じるんだね」と、できているところとできていないところを仕分けします。すると、本人も「自分がどのくらいできるか」がわかり、漠然とした不安が消えます。

そして「あと何点分がんばればいいね」と具体的な目標を示すと精神的な負担が減り、取り組みがしやすくなります。