宿題をやりたくない子供にはどんな言葉をかければいいのか。教育家の小川大介さんは「『宿題はやったの?』『○○しなさい!』といった声かけは子どものやる気を奪ってしまう。自発的に勉強する習慣を身に付けさせるには、具体的にやるべきことを整理してあげるといい」という――。(第1回)

※本稿は、小川大介『子どもの頭のよさを引き出す親の言い換え辞典』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

母親に説教をされる子ども
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

「これくらいできて当たり前」と考えるべきではない

子どもがまだ小さかったころは、やれ笑った、やれ寝返りができたと小さな成長を喜んでいられたのに、できることが増えていくにつれて「これくらいのことはできて当たり前」と思ってしまう。特に小学生になって学校の勉強が始まると、「学校の宿題はやるのが当たり前」「家庭学習は毎日やるのが当たり前」と考える親御さんは少なくありません。

「宿題はやったの?」「毎日勉強するって約束したじゃない!」「当たり前」と思うからこそ、できていないことにモヤモヤしたり、カッとなってしまったりする。そして「またやってないの⁉」「本当に根気がないんだから……」などの、本当は言いたくない言葉を子どもに投げつけ、あとで「あんなこと言わなきゃよかった」と落ち込んでしまう。そんな日々に疲れを感じている親御さんはものすごく多いですね。でもそれが、親として当たり前の姿なのだと思います。

幸せな人生とは、人から愛され、信頼され、自分の力でお金を稼いで生活できるようになること。そんなふうに思い描くのが普通でしょう。そして、そのすべてと学習は切り離せません。問題を解決する力があること、学ぶ力があること、言葉が使えること。これらは、すべてが幸せな人生につながっていきます。

そう思うからこそ、勉強をないがしろにしている(ように見える)わが子の姿に、「この子の将来はどうなってしまうのだろう……」と子どもの未来の幸せが崩れていくように感じる。不安もイライラも親の愛情の証なのですから、つい心ないことを言ってしまったとしても、ご自分を責めないでください。子どもを傷つけたと思ったら、「ごめん! お母さん(お父さん)、さっきはちょっと言いすぎた」と素直に謝ればいいだけのことです。