南記者は本当の居場所を見つけたのではないか

新聞労連が2020年3月に発表した調査「メディアの女性管理職割合調査の結果について」によると、琉球新報の女性管理職数は18.18%で、デスクやキャップなどの指導的立場も含む広義の管理職となると34.38%にも上る。日本新聞協会が公表している業界全体の数字、8.59%および21.52%を大きく超える。

東京の喧騒から離れた彼はきっと今、彼が願った「ジェンダー平等」により近い取材・執筆環境の中、水を得た魚のように、自由にのびのびと健筆を振るっていることだろう。

沖縄は、言わずもがな、日本という国が抱えるさまざまな矛盾や先送りしてきた課題を一手に背負ったような土地だ。「地方」の象徴であると南記者は言う。

わたしが暮らす広島もまた、自己矛盾に陥っている。「被爆地ヒロシマ」という被害者の顔ばかりで「軍都廣島」という加害者の側面はいつも霞む。圧倒的な支持によってこの地から国政に送られ、この国の総理大臣になった政治家は、「核兵器のない世界へ」と言うばかりで、あろうことか核抑止力を肯定している。

写真=iStock.com/orpheus26
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「国益」の名の下、地域で暮らすわたしたちの権利や尊厳が蔑ろにされていないか。大きな力によって何かが脇に追いやられていないだろうか。民主主義や平和が形骸化していないだろうか。

南記者は沖縄で問題提起を続ける。仲間のわたしも微力ながら、総理大臣のお膝元である自称「平和都市」で、足元の民主主義を問うていきたい。

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