コーンフレークを毎日食べる人は危ない

対して「老ける主食ワースト3」は、単一成分が主体のもので順位付けをした。

出所=『老けない最強食

ワースト2位、3位のうどん、そうめん・ひやむぎは炭水化物量は少ないのだが、100gあたりの水分量がそれぞれ、75g、70gと高い。ちなみに米の水分量は50~60g台だ。たっぷり水分が摂れるなら悪くないと思う人もいるかもしれない。しかし、限られた量の中でさまざまな栄養素が摂れたほうが脳や筋肉を働かせるエネルギーが効率よく作られる。

明治時代に年間1万~3万人もの死者を出した「脚気かっけ」という病はビタミンB1が少ない白米を食べる習慣が原因だったと考えられている。ビタミンなどの栄養素が足りなければ糖をエネルギー源に変換できず、炭水化物が“ただのお荷物”になってしまうのだ。

ワースト1位のコーンフレークは炭水化物量がなんと100gあたり82.2gも! 市販のメジャーなコーンフレーク数十種類の成分をチェックすると、「麦100%」「甘くない」と売り出している商品さえ、米よりもずっと多くの糖質を含んでいたのだった。

「とりわけ砂糖が添加されているコーンフレークは、血糖値が一気に上昇します。ブドウ糖より糖化を進めやすい果糖ブドウ糖液糖が添加された商品は避けたほうがいいでしょう」(山岸氏)

写真=iStock.com/tomasworks
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白米だけよりも「牛丼」にしたほうが健康にいい

コーンフレークや麺類はよく噛まないで食べられる点も問題だ。噛んで唾液が出ると、パロチンという成分が分泌され、筋肉や骨の発達、肌の新陳代謝を促して若返り効果があることがわかっている。

調理法としては脂質をからめたほうが糖の吸収を抑えられ、血糖値急上昇を防げる。

日本抗加齢医学会専門医・評議員の平野敦之医師(美健会ルネスクリニック日本橋・東京理事長)がこう話す。

「牛丼と普通の白米を比べると、牛丼のほうがカロリーは高いですが血糖値の上昇は少ない。素うどんより天ぷらうどんを選ぶなど、糖をコーティングするように油を一緒に摂るといいでしょう。ポーク豆カレー&発芽玄米ごはんが一押しです」

望月氏は、カレーに「蒸し大豆」を加えることを提案。大豆には良質な油のほか、認知症患者の脳内で減少する神経伝達物質「アセチルコリン」を生成する元になるコリンが含まれる。抗酸化作用があるカレーとセットで、脳も体も老けさせない一品だ。

炭水化物の効能を高める、あるいは弊害を減らすため、体内時計に合わせた主食の摂り方もある。拙著『老けない最強食』(文春新書)の第一〇章(老けない最強の食べる時間帯)でも紹介しているが、主食に関しては朝はコーンフレークや麺類より米やパンを、昼は好きなものを食べよう。