夕食をガッツリ食べたいなら20時まで

「朝はしっかり噛めるものを摂ることで脳が覚醒して体温が上がります。昼は胃が活発に働く時ですので比較的カロリーや油分が高い牛丼などを食べてももたれにくく、午後のエネルギーとして有効に活用できます」(望月氏)

夜は塩分がやや多めでもOK。18~20時は腎臓の機能が高まるため、塩分排出がスムーズなのだ。

「夕食に塩分が高くなりがちな蕎麦や和風系のパスタを食べてもいいでしょう。また蕎麦に含まれるルチンは、就寝中に滞りがちな血流を良くする効果が期待できます」(同)

炭水化物は「量」も重要だ。

一日の摂取エネルギーのうち約50~60%を炭水化物から摂取するのが望ましいとされる。ごはん茶碗1杯150gとして約3杯で成人女性に必要な総エネルギーのおよそ40%だ。

「できれば朝に多めに食べ、夜遅い時間、特に20時を過ぎてからの主食摂取は避けてほしい。夜は血糖値が上がりやすく、また糖(エネルギー)を必要としないため、太りやすくなってしまいます」(山岸氏)

また糖質の摂取を抑えるダイエット(糖質制限)だが、ひとつ注意してほしいことがある。糖質を制限したら、肉類など他のものを制限なく食べていいということにはならない。

糖質制限は寿命を縮め、体臭がにおうことも

「糖質を制限して、減らした分を動物性の脂質やタンパク質で補うと、寿命が短くなることがわかっています。補うのは、豆類や野菜を中心に。またあまりにも厳しく糖質を制限すると長続きしませんから、それよりは食べる時間を意識したり、主食ではなく野菜から食べるという形のほうがいいと思います」(同)

あまり知られていないが、主食を制限すると、本人が気づかぬうちに「ケトン臭」という不快な臭いを発する可能性もある。

笹井恵里子『老けない最強食』(文春新書)

「主食、つまり炭水化物は、人の体を動かす重要なエネルギー源です。摂らない生活を続けていると、代謝経路が通常と違うものになっていきます。体内の炭水化物が枯渇すると、体が何とかエネルギーを作ろうと、本来メインではないタンパク質や脂質ばかり燃やすため、不完全燃焼が起きてしまう。ここで生じる異常な燃えかすが、少し酸っぱいような、独特の体臭となって発せられるのです」(望月氏)

炭水化物が不足するとエネルギー不足で基礎体力が落ち、疲労感が強くなったり、肝臓の働きが低下する恐れもある。脳の神経細胞も1時間に5gのブドウ糖を消費している。

「食べない」ではなく、「主食の内容」をきちんと選ぶとともに、食べる時間と食べる順番を意識したい。(第3回に続く)

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