1年の価値を2倍、3倍にできる人

前倒しは時間を奪われないための、最強の方法です。

塾では子どもたちにも、「提出物は締め切り当日ではなく前倒しで出す」ように教えています。これは限られた時間を自分の中でさらに短く設定すると、作業を速く効率的にできるようになるからです。

ところが、残念ながら、「1日くらい遅れても平気だよね」と遅れて出してくる生徒もいます。それは一番運気を逃す行動だと思うので、私はずっと「前倒しが大事だよ」といい続けています。

山中恵美子『人生が劇的に変わる「瞬読式」時間術 忙しさから解放され、本当にやりたいことに集中する』(三笠書房)

瞬読もそろばんのトレーニングを踏襲していて、「一つの文字のグループを1秒以内で見て、次の問題に進む」というルールにしています。読めるようになるまで文字を見つめるのではなく、読めなくても次に進みます。

解けるか解けないかが問題ではなくて、決められた時間内に終わらせることが大事だと体に覚え込ませるのが、その目的です。

本を読むときも、「1冊15分で読む」とまず決めることがコツです。

「今より速く読めたらいいな」といった漠然とした考えだと、なかなか速く読めるようにはなりません。「15分で読む」と具体的に負荷をかけると、「そのためにどうしたらいいか」と考えるようになります。

このようにすべてをスピードアップすれば、同じ1年という時間でも2倍、3倍に生きることができます。

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