学力が高い子供はどこが違うのか。教育コンサルタントの渋田隆之さんは「鞄や筆箱、机のまわりが整理整頓されている子が多い。自己管理ができていると、自然と身のまわりに無駄なものがなくなる」という――。

※本稿は、渋田隆之『2万人の受験生親子を合格に導いたプロ講師の 後悔しない中学受験100』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

勉強道具が入ったリュック
写真=iStock.com/Choreograph
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「やる気」に頼らず勉強を習慣化する

「塾の小テストが空欄ばかりで頭を抱えました」
「勉強中、子どもが麦茶を飲みにきただけでイライラしてしまいます」
「こっそりノートを見てみたら、落書きばかりで情けなくなって……」

いつまでも宿題をやらない、机に向かわないわが子の様子を見てなげき、成績が悪くても他人事のような表情を見ると、「この子は受験に向いていないのでは?」という気持ちにもなります。しかし、順位や偏差値を見て奮い立ち、やる気を出せる生徒なんて、ほんの一握り。いても、保護者の前だけの演技だったりします(たまに、演技派の子役がいるので要注意です)。

中学受験は長期間の戦いになります。

子どものやる気のあるなしを気にするより、お風呂に入る、歯を磨くといったことと同じように、勉強を習慣化してしまうのが最強です。最初は、朝ごはんまでの20分、お風呂の前の15分など、負担にならないくらいの時間で1日の予定に組み込むくらいでよいでしょう。

保護者としても、やる気がない子に「きちんとしなさい」「早くやりなさい」と叱るよりも、学習習慣を作り、環境を整えるという視点を持ったほうが、建設的ですし、ストレスが減るはずです。

「ほめて育てる」と「本気で一喝」の二刀流

勉強を習慣化するといっても、そうかんたんではありません。3歩進んで2歩下がるくらいの地道な進歩です。しかし、長い目でとらえると、学習習慣をつけるということは一生の財産になります。焦らず、勉強の習慣化を中学受験の最終的な目的の一つにしてもよいのではないでしょうか。

長年の経験から思うのは、子どもには「ほめて育てる」と「本気で一喝」の二刀流で接するのが正解だということ。ここでは、子どもをなかなかほめられないという場合におすすめの方法をお伝えします。

まずは、保護者が子どもの様子をプラスにとらえる「習慣」をつけること。とくに、マイナスの言葉が出そうになったときには、次のように楽しみながらプラスの言葉に言いかえることが大切です。

・「性格が暗い」→「落ち着きがある」「大人びている」
・「うるさい」→「元気がいい」「ボキャブラリーが豊富」
・「幼稚」→「純粋な気持ちを忘れていない」「子どもらしい」
・「三日坊主」→「三日間も集中して物事に取り組むことができる」
・「行動が遅い」→「しっかりと考えてから行動できる」
・「せっかち」→「行動力がある」「時間に敏感」