まずは鞄の整理整頓から

塾の鞄の厚さ(重さ)と学力が反比例するというのは、私の持論です。

学力の高い子は、鞄や筆箱、机のまわりが整理整頓されているものです。自己管理ができていると、自然と身のまわりに無駄なものがなくなるからでしょう。

塾では、机と机の間に鞄を置きっぱなしにする生徒に注意をします。「となりの人のことを考えられていない人が、読解で登場人物の心情がわかるわけがない」と伝えています。まわりに気を配れる子は、テストでも細かい部分にまで注意を払うことができて、ミスが少ないと感じます。

プリントや文房具がぐちゃぐちゃに突っ込まれた鞄を見たときも、「君たちの頭の中と同じだ」と伝えています。アコーディオン状の保護者向けプリントが鞄から出てくる生徒は、おそらく家庭でのコミュニケーションも成り立っていません。鞄の整理はついついやってあげたくなりますが、自分のことは自分でできるようにしないと、いつまでたってもできるようにはなりません。

お手伝いは絶好のチャンス

生徒たちに「家のお手伝いは何をしているの?」と聞くことがあります。

「食べたものをシンクに持っていく」「洗濯物を取り込む(「たたむ」じゃありません笑)」「ゴミを捨てに行く」がベスト3でしょうか。

ゴミを捨てに行くのは、たいてい、分別してゴミ袋に入れるまでは保護者の仕事のようですね。「お風呂を沸かす」と言った生徒がいましたが、多分スイッチを押しただけで、薪を取りに行ったりはしていないはずです。「沸かす」に対抗して「お風呂の栓を抜く」と応えた強者もいました。

実はお手伝いは「時間を有効活用することがさまざまな場面で役立つ」ことを教える絶好のチャンスです。