中学受験ではどのように志望校を選べばいいのか。教育コンサルタントの渋田隆之さんは「週刊誌の大学合格ランキングは卒業生数や現役・浪人の比率などが考慮されていないことがある。一方、入学時と卒業時の偏差値差が大きい学校は、確実に生徒を伸ばしている学校だ」という――。

※本稿は、渋田隆之『2万人の受験生親子を合格に導いたプロ講師の 後悔しない中学受験100』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

子どもに勉強を教える先生
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志望校選びはどこに着目するべきか

「行列ができるラーメン屋に『行列ができているから』という理由だけで並ばない」というのは、志望校選択の大原則だと思います。

昨今では、国際化、アクティブラーニング、ICT、英語指導、海外留学への対応などは、強化していない学校はありません。親世代とは違い、「この学校はなんだか新しいことを取り入れていそう」という理由だけで志望校を選ぶのは危険です。

また、校名変更、共学化、付属校化、校舎の移転などを行った学校は、情報の露出が多いことと期待値の高さから、入学難度が高めになりがちなので注意が必要です。また、説明会でのアピールのみで判断するのもおすすめしません。改革前から通っている生徒がいきいきとしているかを確かめるほうがいいでしょう。

手っ取り早いのは「普段の授業」の見学

学校行事の盛り上がりも志望校選びの参考にはなりますが、行事はあくまで「特別な日」。普段の授業を見学するほうが、学校の空気をつかむのには手っ取り早いです。

先生が教壇の前で解説し、生徒が静かに黒板を写しているだけの授業も時代遅れになってきています。生徒が主体的に授業を受けているかどうか、その学校の学習スタイルがわが子に合っているかどうかを、比較して見極めましょう。

なかなか学校に直接行く機会がなくても、ホームページに生徒の写真や動画などを載せているところも増えています。

一部ではなく、たくさんの生徒が紹介されているホームページは、好感が持てます。

<学校の外で生徒の「素」を見る>

学校帰りの生徒の様子を何校か見に行きました。疲れが出ている学校帰りのほうが、生徒の素の表情が見られると思ったからです。

しつけが厳しいと評判の学校の生徒が、駅で大騒ぎしていたのを見てがっかりしました。逆に、それまで検討していなかった学校の生徒が本当に楽しそうに帰っていた様子を見て、一気にファンになりました。