「座席の座り方」が2年連続で1位に

私鉄各社が加盟する日本民営鉄道協会は2000年から毎年、「駅と電車内のマナーに関する調査」を実施し、迷惑行為ランキングを発表している。2023年度は「座席の座り方」が2年連続で1位となった。

「座席の座り方」は数ある迷惑行為の中でも唯一、調査開始から常に3位以内にランクインしている。2004年から2008年まで5年連続で1位になって以降はトップの座を譲っていたが、2019年、2022年、2023年と近年、再び注目が集まっている。

もちろん厳密な調査ではなく、選択肢の表記は時期によって変わる上、3つまで複数回答を認めているため、上位は数パーセントの違いしかない。それでも、20年間にわたり「座席の座り方」が問題視されていることは無視できない。

脚を広げるから悪い? それとも座席が狭い?

2017年以降は上位項目について具体的に聞いている。例えば2023年の「『座席の座り方』のうち最も迷惑に感じる行為」は、

座席を詰めて座らない(間を広く取る、荷物を置く等) 43.3%
座りながら足を伸ばす・組む 22.3%
荷物や身体が隣の人にぶつかる(大きな荷物を抱える、足・肘を広げる、腕を組む等)17.4%
お年寄や身体の不自由な方、妊婦の方等に席を譲らない 7.6%
子供が靴を履いたまま座席に立つ 4.2%

となっており、座席スペースの必要以上の占有や、他人のスペースに侵入する行為への不満がほとんどを占めている。この調査は利用地域や、在来線・新幹線など鉄道の種類を限定していないが、多くの人は最も身近な通勤電車の座席をイメージしていたことだろう。

多くは中高年男性に見かけるような脚を広げて座る人だけでなく、外国人観光客が満員電車の中、窮屈そうに座席に収まる姿もよく見かける。SNSでは「座席が狭い」という声も聞かれるが、そもそもなぜ今の座席幅に落ち着いたのだろうか。