なぜ東日本は、ウスターソースなのか
ところで、なぜ「東日本では、“甘みが薄いウスターソース系”の味付けを好む」のか。
オタフクソース(本社:広島県広島市)の公式サイトによれば、
「ソースの歴史は、(中略)19世紀中ごろに、英国・ウスター市でウスターソースが誕生したことに始まります」と説明されていた。戦後にウスターソースづくりを始めた同社が「お多福ウスターソース」を発売し、お好み焼き店を訪問するうちに「サラサラとしたウスターソースは鉄板に流れ落ちる」との悩みを聞き、試行錯誤を重ねて1952年に、とろりとした「お好みソース」を開発した。
この商品の大ヒットもあり、西日本では“甘みが強くコッテリとしたお好みソース系”が好まれるようになった。たこ焼きもウスターソースとの相性はよくないだろう。
一方、これらの粉もん文化が広島・大阪ほど強くない東日本では、そこまでのこだわりはなく、ウスターソースや(濃厚までいかない)中濃ソースが浸透していったと考えられる。