キャリアプランは自分で作るもの

次に2つ目のコツは「ベンチマークを設定する」です。これはそのままですが、できる限りその人にとってのベンチマークとなる人を設定してあげます。

ベンチマークは社内の人でも、社外の人でもOKです。

ただし必須条件は「情報を取得できること」です。たとえば、社外であれば、本を出している人やメディアで発信している人。社内であれば、直接話を聞けたり、一緒に業務をしたりする人です。

ベンチマークを設定するのは、「やるべきこと」をより具体化するためです。普段どんなふうに時間を使っているのか? どのように業務を遂行しているのか? ベンチマークを設定することでそうした「行動」を具体化しやすくします。

3つ目のコツは「本人に納得、宣言してもらうこと」です。

当たり前の話ですが、キャリアプランは上司や周りが作るものではなく、本質的には自分で作っていくものです。

期待値シートにあるプランも、それはけして完成形ではなく、あくまで「仮説」です。

そのため、僕も「仮説としてプランを持ってきた」というくらいのスタンスで臨み、「これを参考にして、本人が自分で設定すること」を重視しています。

期待値シートを作られて嫌な人はいない

僕は、キャリアプランをぶつける際も「こう考えていますが、あなたはどうしたいですか?」と必ず聞いたうえで、自分で宣言してもらいます。

北野唯我『キャリアを切り開く言葉71』(KADOKAWA)

本人が腹落ちするまで修正していき、最後は「本人のプラン」として宣言してもらう。これが3つ目のコツです。

まとめると、

①「長・短・超短」で目標を分けて作る
②「ベンチマーク」を設定する
③「本人に納得、宣言してもらうこと」

です。

キャリアの期待値シート自体は作られて嫌な気持ちになる人はおそらくゼロですし、上長にとってもメンバーのキャリアや業務を考えるいいきっかけになります。ぜひチャレンジしてみてください。

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