有利に売却するためにも複数に分散させること
また、「先進国は調子が悪いけれど、米国はいい」というようなとき、一つだけを売って現金化することもできるので、何種類かに分散して持っていた方が後々有利に働くことも多いと思います。1種類の中から一部を売却することになったとき、好調な状態で手放すのは惜しいことだからです。
例えば、3000円や5000円とさらに少額で、「まずは一本買ってみよう」ということであれば、「全世界」一本でいくのもいいでしょう。とりあえず試しにやってみることで、投資のことがいろいろとわかってくるに違いありません。
ここではつみたて投資でインデックスファンドを買うことを前提としていますが、こうした資産配分については、誰かが決めた通りに買うものではなく、あくまで自分自身の判断で買うという姿勢が大事です。
米国の伸びは今後も一番大きい
「米国」の伸びは今後も一番大きいと思うので、「先進国」を交えず、「全世界」と「米国」を半分ずつとした方がリターンも大きくなりそうです。
ただし、「米国」の方が「先進国」よりもハイリスクです。しかし、リスクは危険性というよりは不確実性と捉えます。また、リターンはリスクと比例すると考えます。悪いことではありませんが、リターンを取るのであればリスクも取らないといけないことになってきます。
現在のところ、リスクが最も高いのは「米国」。反対に最も低いのが「全世界」です。その間に「先進国」が位置しています。
それぞれのタイプによって、組み入れている銘柄が違っています。一般的に組み入れ銘柄の数が多いほどリスクは少なく、またリターンも少ないとされています。個々の商品によって違いはありますが、「全世界」にはおよそ8000本もの銘柄が入っています。「米国」の場合は、連動する指数によって幅があり、500~4000本です。中間的な存在の「先進国」で約1300本となっています。
リスク、リターンの高さを順番に並べると、「米国」「先進国」「全世界」となります。
なお、「新興国」は「米国」を突き抜けていると言っていいので、「新興国」「米国」「先進国」「全世界」という順番になるでしょう。
「新興国」のリスクは高いとされていますが、先ほども述べたように不確実性という意味合いです。ただし、中国やインドなどは人口ですでに14億人を超えているようなレベルですから、大きく化ける可能性があります。
生産年齢人口の増加率が非常に高い新興国諸国の現状を考えると、経済成長する可能性もありつつ悪くなる可能性もあり、この先どうなるかわからないところがあります。ただし、リターンが来るまでに最低10年以上は待つ必要があるため、定年期の人にはあまりお勧めできません。