老後の資産を増やすにはどうすればいいのか。ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんは「『人生100年時代』には資産寿命を延ばすことが重要だ。定年後からでもつみたて投資を始めれば、複利効果で20年後にはものすごい金額になっているだろう」という――。

※本稿は、横山光昭『定年後でも間に合うつみたて投資』(角川新書)の一部を再編集したものです。

預金通帳を見て息をのむシニア女性
写真=iStock.com/kazuma seki
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60歳の男性は平均であと24年生きる時代

厚生労働省は、2022年9月1日時点の住民基本台帳をもとに、国内に住む100歳以上の高齢者の数を公表しました。これによると全国の100歳以上の高齢者は9万526人で、前年から4016人増え、52年連続で過去最多を更新しました。

まさに人生100年時代の到来を物語るデータだと思います。これからさらに、日本人の平均寿命が延びていくことが考えられます。

厚生労働省の簡易生命表(2022年7月29日発表)によると、日本人男性の平均寿命は81.47年、女性の平均寿命は87.57年でした。前年と比較して若干下回った数値となりましたが、相変わらず世界トップクラスです。

また、平均余命は60歳で男性24.02年、女性29.28年、70歳で男性15.96年、女性20.31年でした。現在60歳の男性であれば、平均であと24年生きることになります。あくまで平均値なので、当然ながらこれ以上長寿の人も数多くいるということです。

「人生100年時代」に資産寿命を延ばすには

令和2年版厚生労働白書によれば、日本人の平均寿命は2040年にかけて約2年伸び、40年時点で65歳の人は、男性の約4割が90歳まで、女性の2割が100歳まで生きると推計されています。「人生100年時代」はもはや絵空事ではないのです。

そこで必要となってくるのは、資産寿命を延ばすことです。

資産寿命とは、これまで作ってきた金融資産があと何年持つかという期間のことで、資産寿命が長いほど、老後のお金を心配することなく安心して生活できるというわけです。逆に資産寿命が平均余命を下回ると、死亡する前にお金が尽きてしまうことになります。

平均寿命、健康寿命と並んで、資産寿命は定年後のキーワードです。

長生きする分だけ、資産寿命も延ばしておかなくてはなりません。すでに持っている資産、またこれから持つべき資産を形成しながら、いかに目減りさせず長持ちさせるかという考えが必要になってきます。