テイクアウト専門店に現れた新たな客層

サーティワンは出店戦略も加速させている。

ビルイン型店舗やフリースタンディング店舗、商業施設内のコーナー型店舗など、立地に合わせた出店のほか、テイクアウト専門店の新業態「サーティワン To Go」も出店を強化している。

さらにユニークなのは、オフィスビルの中や水族館、大学、野球場、サービスエリアなど、出店の余地があれば、積極的に店舗を出しているところだ。

画像=B-R サーティワン アイスクリーム提供
サーティワン アイスクリーム To Go アトレヴィ三鷹店

「『サーティワン To Go』に関しては、既存店よりも提供スピードの速さにこだわっていて、商品数を絞り、オペレーションを省力化しています。そのため、従前に比べて出店面積を抑えることができ、好立地への出店も可能になったんです」

さらに意外な客層が増えたという。

「テイクアウト専門店ができたことで、コロナ前よりも男性のお客さまが増え、新規層の開拓にもつながっています。テイクアウト商品を強化し、並行して販売拠点の拡大を行ったことで、コロナ前はイートイン比率が高かったのが、今ではテイクアウト比率が全体の40~45%ほどを占めるようになりました」

スイーツ専門店市場への拡大

今後はアイスクリーム市場のみならず、スイーツ専門店市場への拡大を見据えながら、さらなるビジネスの発展を目指していくという。

成長の鍵になるのは「デマンド戦略」だと若林さんは説明する。

「単に値引きや増量などの施策ではなく、豊富な品揃えや季節を感じるフレーバーの開発、商品の魅力や品質の向上、喫食オケージョンの拡大など、お客さまがサーティワンを利用したいデマンド(欲求)を理解し、マーケティング活動するのが大切だと考えています。

お客さまが抱く『あの味が食べたい』や『子供を喜ばせたい』、『誰かと一緒に楽しみたい』といった消費マインドは、スイーツ専門店とアイスクリーム専門店で共通している部分であり、これからもお客さまの体験価値を向上させられるような取り組みをしていきたいですね」

関連記事
店舗によってイスやテーブルがバラバラでもOK…ゴーゴーカレーが「居抜き物件」をそのまま使うワケ
常連には余った食材で焼き鳥5本提供…そんな身勝手なルールの焼き鳥屋が熱狂的なファンを獲得できたワケ
食事は毎日マグロ丼…女子大生がマグロ漁船で100円のお菓子を2000円で取引して分かった"商売の本質"
「3時のおやつ」は医学的に大正解だった…時間栄養学でわかった「太らない間食のススメ」
「10個のリンゴを3人で公平に分けるには?」有名な思考クイズをひろゆきが解いたら…答えが斬新すぎた