アメリカと日本の「人気フレーバー」の違い
その後も人気は収まらず、2002年9月には今の名称である「ポッピングシャワー」に変更され、念願のスタンダードフレーバーに。2008年から現在まで14年連続で人気No.1フレーバーとなっている。
最大の特徴はパチパチとした食感だ。キャンディはまわりを油脂コーティングしているため、アイスクリームの中に入っても食感が失われず、口の中でパチパチとはじける。
「アイスクリームのおいしさだけではなく、ポップロックキャンディを使い、驚きと楽しさを提供するという遊び心が、お客さまの支持を得ることにつながったのではと考えています。これこそ、サーティワンならではのアイデンティティーであり、他社にはない強みになっています」(若林さん)
「ポッピングシャワーは現在、アメリカでは販売されておらず、レギュラー商品に入っていないのに対し、日本では多種多様なサーティワンの商品の中で、常に人気フレーバーの一角を占めているんです。味に関しても、1999年にアメリカで最初に発売されたものと同じレシピを使用していますが、それでも根強い人気を誇っていますね」
そう語る若林さんは、ポッピングシャワーが日本だけロングセラーを続けている理由について、こう話す。
「アメリカのお客さまは濃厚な味を好む傾向があります。そのため、ポッピングシャワーのようなさっぱりとした味わいよりも、アメリカの定番商品のひとつである『キャラメルプレリンクリーム』のような濃厚なキャラメル味を堪能できる味の方が親しまれていると感じています。また、フレーバーのネーミングについても、アメリカのお客さまはアイスクリームの味を想像できる商品を選びやすいんです」
「フレーバー総選挙」では別格扱い
他方、日本では「ポッピングシャワー」というネーミングの妙が支持される要因になっているという。
「聞き慣れないフレーバーだからこそ、逆に興味をかき立てられ、『思わず食べてみたい』と考えるお客さまが日本には多い印象があります。さらに、店頭で販売するキャンペーン商品やプロモーションで使う販促物にも、ポッピングシャワーのデザインを落とし込むことが多く、それがお客さまの頭に残り、想起購買につながっていると考えています」
今年で日本上陸50周年を果たしたサーティワンは、50周年のロゴにもポッピングシャワーをアイコンとして使用しているが、これは全世界の中でも日本だけだという。
2021年に実施した「フレーバー総選挙」では2位の「ラブポーションサーティワン」に2万票の差をつけて1位を獲得。ポッピングシャワーの圧倒的な人気を見せつけた。
この結果を受け、ポッピングシャワーは“殿堂入り”を果たし、以降は投票対象にならないほどの別格扱いのフレーバーになっている。
それだけ、ポッピングシャワーがサーティワンの看板商品として支持されており、日本人が愛してやまないフレーバーだと言えるのではないだろうか。