議論が浮上している「永久国債」とは
では、日本の財政を立て直すための手立てが一切ないかと言われると、そうでもない。国民民主党は、財政健全策として日銀保有国債の「永久国債化」を提案している。これはどういうものか。
永久国債は世界的には「コンソル公債」と呼ばれる。コンソル公債とは、永久に償還しない代わりに、利子のみを払い続ける「永久債」の一種で、1752年に英国で発行されたのが始まり。当時、英国では長年にわたる戦争で財政赤字が累増し、その償還問題が大きな課題となっていた。
その処方箋として発行されたのが、コンソル公債で、それまで発行されていた各種国債をコンソル公債に一本化。これにより財政負担は利払いのみに限定され、根雪となった元本部分は永久に償還しないで済むことになった。
「ウルトラC」が検討されるほど追い込まれている
日本がおかれた現在の財政状況はまさに、この当時の英国と同じ。GDPの2倍に及ぶ財政赤字をソフトランディングする手段として、コンソル公債の発行が現実味をおびることになる。その際、ネックとなるのが、普通国債は最長60年以内で償還するという「60年償還ルール」であるが、先述のように同ルールの変更が俎上に載っている。
鈴木俊一財務相は「政府が日銀の機能を利用して財政調達を行うことになり、財政に対する信認や金融政策の独立性が損なわれる恐れがある」と危惧する。永久国債は禁じ手の類いで、発行しないで済むならそれに越したことはない。
だが、日本の財政赤字は、終戦直後の英国を抜き、先進国史上、最悪の事態に陥ろうとしている。その先にみえてくるのは、かつての英国の知恵であった「コンソル公債」の発行と言えなくもない。まさにウルトラCの展開だ。