外国人が日本に来て驚くことは何か。イギリス在住で著述家の谷本真由美さんは「日本のサービスエリアは、超高級デパートをさらにグレードアップしたようなものだ。清潔なトイレ、多種多様の食事やお土産品がそろっており、ヨーロッパのサービスエリアとはまったく違う」という――。

※本稿は、谷本真由美『世界のニュースを日本人は何も知らない4』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。

2021年の首都高速道路の入口(2022年料金改定前)
写真=iStock.com/y-studio
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外国人がビビるETCのすごい機能

外国人と日本国内を移動していて、たいへん驚かれるのが高速道路です。まず高速道路に乗る前の時点ですが、車が動き出すと「ETCが挿入されました」と車に装備されている機械が喋ります。

ETCカードのような物がある国がないわけではないのですが、読み取り用の機械からいちいち人間の声が出るのはすごくめずらしいです。日本だとそれがアニメの声優さんの声になっていて「タッチ」の南ちゃんの声だったりする。すると外国人はいったいこれは何を命令しているのかということで思いっきりビビってしまいます。

そして日本に滞在している間に外国人は「ETCが挿入されました」というフレーズを完璧に復唱できるようになる。車で移動すると何回も聞くことになるからです。そして高速道路に入ると驚くべきことに細かく料金が加算されていく。1回の料金は400円とか600円ですが、積み重なっていくと決して安い料金ではありません。

イギリスの高速道路は基本的に無料

もちろん他の先進国でもトールウェイといって有料の高速道路はあるのですが、しかしそれは国全体というわけではなく、ごく一部の地域でのことが多いです。また高速道路料金が有料である国でも、車がその国の高速道路を走る前に料金を一括で払ってしまってステッカーを車に貼ることで区間ごとの課金はありません、という場合もあります。

イギリスの場合はほとんどの高速道路は無料です。料金所がないし、ETCカードのようなものもありません。車がロンドンに入る場合はロンドン市内を通行する料金は払いますが、先にお金をネットで払っておけば監視カメラがナンバープレートを自動的に読み取って承認するのでETCカードのような仕組みが必要ないわけです。

ですからハイテクなはずの日本でなぜカードを差し入れして細かく料金を徴収されるのか、意味がわからないと言っている外国人は少なくありません。