特産物やお土産品の多さに呆然と立ち尽くす

さらに驚くのは高速道路のサービスエリアです。日本のサービスエリアはかなり地方のほうでも近代的で、飲食やサービス、物販にたいへんな力を入れています。

トイレは数が多く、どこも清潔で温水洗浄便座が当たり前のように設置されています。最近では高速道路のトイレには「現在、◯人が順番待ちしています」という表示が出るものまであります。外には自動販売機やその地域独自の屋台が出ていたりして建物の外もたいへん華やかです。

談合坂サービスエリア
写真=iStock.com/winhorse
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中に入ればその地域の特産物やお土産品が、目が回るような種類・量で大量に陳列され、対面販売も実に盛んです。どの食品も趣向を凝らし、ありとあらゆる需要に応えるようになっています。家人も息子も日本のサービスエリアに来るとあまりにもたくさんのものが売っており、食べるものも種類が多いので、いったい何を買ったり食べたりすればいいかわからないと、呆然と立ち尽くしてしまいます。

そしてさらに圧倒されているのが日本人のパワーにです。車で長距離を移動しているにもかかわらず、どの人もかなり熱心に地域の特産物やお土産を大量に買う。さまざまな種類のラーメンから好みのものを選び出し、対面販売があればいろんなものを熱心に試食しています。消費意欲も旺盛で、とにかくいろいろなものを買っているのです。

イギリスでは廃墟状態のSAを仕方なく利用

このようなサービスエリアはヨーロッパの感覚からすると、ロンドンやパリにある超高級デパートをさらにグレードアップしたものがサービスエリアの中に一括で入ったようなものです。なにしろヨーロッパのサービスエリアはどこもたいへん酷いところが多く、日本で昭和40年代にあったもの以下のところが多いのです。

イタリアの場合は、食べ物は売っていても硬くて噛むのが厄介なパニーノぐらいだったりするし、チョロっとバール(軽食店)があるだけという場合もあります。

イギリスの場合はさらに悲惨で、ロンドンから北のほうに行く最も主要な高速道路に乗っても各サービスエリアの間隔はかなり長いです。空いていると思っていたサービスエリアに入ってみると、なんとほぼ廃墟状態のレストランにホコリだらけのカフェが一軒しかなくトイレの便器は割れており、入り口は太い鎖で鍵がかかっていたりします。

しかし休息するところがほかにないので仕方なく利用するのです。