日本人の働き方は外国人の目にどう映っているのか。イギリス在住で著述家の谷本真由美さんは「日本人は、ほかの先進国よりもひどい環境と安い給料で働かされている。解決策が明らかなのに、なぜ今の環境で耐えているのか、不思議に思っている外国人が多い」という——。
※本稿は、谷本真由美『世界のニュースを日本人は何も知らない4』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。
なぜ日本人は上司や経営者を襲撃しないのか
外国人が日本人に対して疑問に思うことのひとつに、日本人はひどい就労環境であっても、なぜか上司や経営者を襲撃しないということがあります。
他の国は一般的に気性が激しい人が多いので、就労環境があまりにもひどいと夜暗いところで待ち伏せをして後ろから殴りつけるとか、ひどい場合は銃撃してしまいます。
直接暴力を振るうのがヤバいなと思う人々は、職場でわざと仕事をやらないとか工場などの生産業務で欠陥品を大量に入れるとか、お客が怒るように仕向けるなどありとあらゆる手段を駆使して上司に復讐を果たします。頭が良い人間ほど複雑な復讐の仕掛けを講じるのでたいへん恐ろしいのです。
Twitter社が解雇者のアクセスを遮断したワケ
2022年11月には「Twitter」が従業員の50%にあたる3500人を突然解雇しました。解雇者にはメールでの事前通知すらなく、リモートワーク用のノートパソコンや業務用スマートフォン、メールなどが突然ロックされたり、社内システムに入れなくなったり、オフィスから突然退去させられた人が大半でした。
これも従業員によるデータの持ち出しや秘密の漏洩、会社や他の従業員へ物理的に危害を加えることを防ぐためです。とくにアメリカは銃を所持できるので、幹部や経営者は解雇された従業員に襲われて死ぬ可能性があります。
さらには解雇された人のノートパソコンやスマートフォン、業務システムからは即データを消す仕組みになっている企業も多数あります。ですから企業側からの集中的なデータアクセスを制御できるシンクライアントという仕組みのノートパソコンや、データセンターにおいてあるデータにアクセスする仕組みのクラウドが普及しているのです。