常に強盗・暴行事件のリスクと隣り合わせ

ロンドン北部ではこうしたとんでもないサービスエリアが少なくありません。だからガソリンスタンドに併設されている売店で、なんとかマヨネーズだらけのすごくまずいサンドイッチを買い、同時にダイエットコーラも買って、それを車の中でひっそりと体の中に流し込む。もちろん売店内は照明が暗くどんよりしています。

こういうガソリンスタンドでは、車に給油をする際は相当気をつけなければダメです。周囲に人があまりおらず他の客はどんな人かわからないので、給油している間に強盗されるとか因縁をつけられて殴り合いになることがあるからです。

ガソリンスタンド
写真=iStock.com/Iryna Melnyk
※写真はイメージです

トイレも危険な場合があるので必ず同行者に外で監視してもらっておかなければダメです。とにかくさっさと給油し逃げるようにその場を去るのがグッドアンサーです。

運よくトラッカー向けの小屋を改造した食堂があるところだと、トーストにベイクドビーンズをぶっかけたもの、焼いたソーセージとベーコンと卵、マッシュポテト、紅茶、ベイクドポテトぐらいはあります。ただしベイクドビーンズは、カウンターの中の容器に入っていて表面が乾いているのでいつ缶詰を開けたのかよくわかりません。

そういう食堂には人生に迷っている人のために無料の聖書が置いてあります。そして食堂の前は舗装されておらず、雨が降ると靴がドロドロになるのです。だからイギリスで高速道路を使って移動するときは長靴が必須です。昭和30年代の北海道の田舎を想像するとよろしいでしょう。

娯楽はアーケードゲームとスロットマシンだけ

もうちょっと大きめのサービスエリアに入っても、食べるものはマクドナルドかその他のファストフードしかなく、どこの地域でも同じようなものです。床もトイレもドロドロで店員もやる気がまったくありません。

そして売店は品切れが続出で地域の特産品などは一切ない。だいたい特産品を買うような客はおらず、お金もなく、開発しようとする企業もないからです。もともと貧困な土地だらけなので特産品にするような食料もないのです。

お客さんを喜ばせるものといえば、日本の基準だと30年ぐらい前のボロボロのアーケードゲームに、ギラギラと光るスロットマシンで、そういうところにいる人はプリン頭で歯が抜けていたりします。