忙しいときに声をかけられたら

普通にパソコンに向かっている上司に、こちらから声をかけたら「今、俺が忙しいのがわからないのか、空気を読め」などと怒鳴る人も少し前はいたと思いますが、今は女性部下相手でなくても、こんなことをやったら上司終了です。

木下明子『図解!ダイバーシティの教科書』(プレジデント社)

私も、こういう方には用件のみで二度と話しかけてやるか、と心の中で神に誓います。それこそ、こんな上司には何の本音も真実も、大事故につながるような重大ミスの報告も入ってこなくなるでしょう。

声をかけられて忙しいときは、笑顔で「ちょっと今、手が離せないから、1時間後でいいかな」「明日の午前中じゃダメかな?」などと、状況を正確に伝えて、他意がないことをはっきりさせなくてはいけません。そうでなければ、部下の心には「声をかけたら怒られた」ということだけが強く残ってしまいます。多様な人材と多様な働き方や価値観があふれる組織の中で、組織が向かう方向を常に示しながら、部下の力を最大限に引き出すための積極的な声がけや指導ができないのであれば、そもそも令和時代のリーダーには向いていないのではないでしょうか。

上司も弱みを見せていい

とはいえ、心身ともに疲れていて、いつもと同じように対応できないときはありますよね。常に体のどこかがだるく、精神的にもどちらかというとどころか、かなり神経質で(事実です)、全然打たれ強くない私なんて、そんなことはしょっちゅうです。

では、そんなときはどうするか。私は顔に出すだけではなく、正直に「今日は体調が悪い」「ちょっと疲れてるのですみません」と口に出すことにしています。そうすれば、部下も「今日は疲れてるんだな」と、自分のせいではないとわかるのではないかと思います。

関連記事
「私は聞いていない」という上司はムダな存在…トヨタ社内に貼ってある「仕事の7つのムダ」のすさまじさ
だから女性は「子供を産まない」という選択をせざるを得ない…日本の男女格差が世界最悪レベルにある根本原因
男性はお酒離れしているが…産業医が「30代以上の女性の飲酒率増加」を心配する深刻な理由
「魅力的な仕事も生活もない場所から逃げていく…」地方が直面する"女性流出"の本当のヤバさ
だから日本は理工系分野に女性が少ない…「女は数学ができない」という偏見がいまだになくならない根本原因