そんなときは、余計に、「どうして、自分の意見でもないのに、こんなに苦労して、いくつもの関門を突破しなくちゃいけないんだろう」って、思うことでしょう。社員数2000人を超えるとムダな会議が増える傾向がありますが、もっと規模の小さい会社でも、同様の事例は珍しくはありません。いったい、どうすればよいのでしょう?
忖度によって謎の会議が増えていく
この「会議のための会議のための会議」問題は、なぜ起きるのでしょうか。
「そういうものだから」と上司や先輩から言われても納得いかないでしょう。では、間を飛ばすと何が起きるのか、それは、「上司から、『ぜんぜんだめだ、何やっていたんだ!』と激怒される」かもしれないということです。
過剰な気づかいによって、折り重なって増えていくので「忖度ミルフィーユ会議」とでも言いましょうか……。「他部署の了解を取っておかなくては」「きれいな資料を作ったほうがいいのでは」と、忖度によって会議が増えてしまう。過剰な気づかいは生産性を落とす大きな原因なのです。
少しでも1つひとつの会議の手間を減らしたいですよね。
もしも、会議の設定自体を減らせないのであれば、資料を減らすという作戦はいかがでしょうか。著書『仕事ができる人のパワポはなぜ2色なのか?』でもお話ししましたが、1時間の経営会議のために、現場の社員は平均73時間かけて準備し、うち65時間が資料作成に費やされていました。
会議資料の4割は読まれない
ミルフィーユみたいに重なった会議それぞれに、分厚い資料を用意し、会議ごとに修正をいちいち入れるのはいかにもムダの多い作業です。経営会議本番に用意する資料の4割は、実際には見られることがないことも調査でわかっています。
そうした事情は、現場の社員だけでなく、管理職も気づいていながら、解決に手をつけられていないことが多いのです。であれば、ここは上司を巻き込んでしまうのが上策です。
課長であれば、部長からの評価を得たいものです。そこで、「部長は、細かな資料までは目を通さないので、わかりやすく簡潔な資料で提案しましょう」などという提案もできます。
現場の社員のみなさんの、ありがちな間違いとして「資料は立派なほうが評価される」という思い込みがあります。私は職業柄、数多くの経営者や役員の方々とお話をさせていただきましたが、資料が立派だから評価するという方は、ほぼゼロです。
むしろ、簡潔で要点を押さえたペラ1の資料のほうを評価するという方までいます。もし、可能であれば「資料はA3の1枚で文字サイズは14ポイント以上」とルールを提案してみてはいかがでしょうか。余計な手間も省けるはずです。