4割の「アジェンダがある」会議であっても、その中身は「進捗報告」とか「提案事項」といった曖昧な内容になっていることが多いもの。もし、あなたの上司が営業獲得件数で悩んでいるのであれば、「○月の獲得件数を10件増やすための方法を検討」とか、「A社への提案内容検討」などというタイトルが入っているだけでも、集まる目的がハッキリします。
目的が明確なら脱線は防げる
上司としても、「部下が面倒なことを言ってきた」と切り捨てたりはせずに、提案を真剣に考えるモードに入ってくれるものです。
曖昧なアジェンダだと何が起きるかといえば、通り一遍の共有事項の話が終わったあとは、上司が自分の話したいことだけをダラダラと話す「マウンティングトーク」が始まってしまうのです。そこからさらに話が脱線して、過去の栄光トークに変わってしまったら最悪です。
目的が明確なアジェンダには「脱線を防ぐ」役割もあるのです。
「チームのためになること」「上司がチームの目標達成のために望んでいること」などを考えて、テーマとして提案することで、会議時間が「イスに座ることが目的のムダな時間」にならなくて済みます。
「会議のための会議のための会議」はなぜ起きるのか
たとえば、あなたがある提案を社内で通したいと考えたとします。その提案を通すには、役員が参加する会議での決裁が必要です。その場合、提案資料が必要です。
しかし、直属の上司のオッケーをもらえば、そのまま役員にプレゼンできる……というケースはまれなものです。
たとえば、次のようなケースがあり得ます。
●まず、上司の上司にあたる部長に提案する前にメンバー同士で作戦会議を行う。
●他部署へ伝えておいたほうがいいだろうと思い、営業部と共有会議を行う。
●いちおう上司の課長にも共有する会議を行う。
●今度は、どのような資料を作成すべきか関係者で打ち合わせをする。
●資料に入れるデータが欲しいと、経理部との会議を行う。
●資料が完成したら、上司との1回目の打ち合わせを行う。
●部長から「資料をもっとコンパクトにしてほしい」と言われ、作り直す。
●指示どおりに資料を作り直し、部長から最終承諾を得るための会議を行う。
いかがですか? 会社によって多少の違いはあるでしょうが、「会議のための会議のための会議」が重なって、本来の目的は何なのか、わからなくなってしまうこと、ありますよね。大事なのは提案の中身なのに、それ以外に費やす手間と時間が多すぎます。方向性違いの気づかいが生む「忖度ミルフィーユ」現象です。
あるいは、自分の発案でなくても、上司から「こういう稟議をあげなさい」と指示される場合もあると思います。いや、そっちのほうが多いでしょう。