トイレが汚い会社に人材が集まるはずがない

④【作業環境】水回りと個人スペースを優先的に整える

職場は、人が1日の中で多くの時間を費やすところです。職場環境のストレスは、一時は辛抱できても、じわじわと確実に悪影響を与えます。

職場ごとに作業環境はさまざまだと思いますが、必ず整えてほしいのは「水回り」と「個人スペース」です。

その中でも、一番大事なのは、「お手洗い」。とくに女性はお手洗いを気にします。同じコンビニでも、できればお手洗いがきれいなところを選びたいものです。職場のお手洗いが使いづらかったり、清潔感がなかったりすると、それだけでテンションが下がります。

何はともあれ、作業環境を見直すときは、まずはお手洗いを使いやすく、きれいにしてください。

また、飲食店や小売店、美容室など、店舗系で気を付けたいのが、個人スペースである「バックヤード(休憩スペース)」です。

お客さんから見える店舗部分はきれいにしてあるのに、従業員が使うバックヤードは暗かったり、散らかっていたり、汚れていたりするケースがあります。従業員が休憩したり、食事をとったりする場所でもあるので、広さは確保できなくても、ホッとできるくらいの場所にはしておきたいものです。

採用の明暗は「休憩室の電子レンジ」が握っている

以前、とあるコールセンターに勤めていた方が、職場環境の悪さを話していました。経費削減の意味もあると思うのですが、その職場ではお昼休みに、照明や空調をすべて切るそうです。そのため、休憩室はいつも薄暗く、夏は暑くて、冬は足元が冷えて快適とは言えないものだったそう。電子レンジ等もなかったので、冬に冷たいお弁当を食べるのがつらかったと話していました。

写真=iStock.com/tianyu wu
※写真はイメージです

また、細かいことになりますが、会社の傘立てに、使っていないビニール傘がたまっているのを見かけることがあります。整理する余裕がないのかもしれませんが、そういったところに、会社の姿勢が見て取れます。

社内の人間は毎日同じ職場、同じ風景を見ているためそういった細かいことに気づかなくなっています。しかし、面接に来た応募者は初めて見る場所なので、細かいところに気が付くものです。

会社の利益が出たときは、給与や賞与で還元するのはもちろんですが、働く環境、設備に投資するのも有効です。従業員のモチベーションは、給与を上げれば、賞与を支給すれば高まると思いがちですが、実はその効果は一時的です。モチベーションが上がるのは支給された直後のみ。もって1カ月です。