長時間労働にやりがいを感じるのは経営者だけ
②【労働時間】残業時間と拘束時間を減らす
次に、労働時間です。これも給与と同じ考えですが、労働時間は短いほうがよいですし、休日は多いほうがよいと思うのが一般的です。業種により事情はさまざまではありますが、労働時間や休日を改善できるのであれば、給与の次に優先して取り組んでください。
法律では、労働時間は1日8時間、週40時間と決まっています。しかし、どの企業でも法定内におさめるのは難しいものです。
まずは、残業を減らす取り組みから行いましょう。最初は「残業を減らす」とトップが宣言するだけでも構いません。従業員は、お付き合い残業や生活給のための残業をしている可能性もあります。長時間労働にやりがいを感じ、苦にならないというのは、経営者だけです(逆にそういう従業員がいれば、経営者の素質があるとも言えます)。
経営者から見ると、遅くまで会社に残って頑張っている従業員がかわいいかもしれませんが、もしかしたら業務配分や効率に問題があるのかもしれません。
今が頑張りどき、という時期を除いて、普段の残業時間は短くなるようにトップが意識しましょう。ただ、単に「早く帰ろう」「残業を減らそう」と言うだけでは、「仕事量も減っていないのに、早く帰れと言われても……」と従業員の不満につながります。無駄な作業の廃止、システム導入など、残業を減らす取り組みとセットで進めていきます。
朝のラジオ体操や掃除、朝礼、終礼はいらない
③【休日数】メリットが感じられる休日の設定法
労働時間が1日8時間週40時間と法定通りであるなら、年間休日は105日になります。1日8時間労働であれば、年間休日105日は最低限の日数です。ですので、年間休日が100日を切ると、応募者から休日が少ないと感じられがちです。
業種によっては、半日出勤などを組み合わせているため、休日が少なくなっているところもあります。たとえば、「月曜日:8時間、火曜日:8時間、水曜日:4時間、木曜日:8時間、金曜日:8時間、土曜日:4時間、日曜日:休み」という場合。週の労働時間は40時間で法定内ですが、丸々一日の休みが週1日だけで、年間休日数は52日になります。
たとえ法定労働時間内であったとしても、丸々一日休める日が少ないと、やはり応募に悪影響が出てきます。法定内だから問題ないだろうと思わずに、シフトを工夫するなど休日数が増やせないか検討しましょう。
他にも「拘束時間」を減らすのも有効です。仕事以外で拘束される時間、たとえば飲み会や、社内の行事ごとを減らすことも一定の効果があります。
細かいことですが、朝のラジオ体操や掃除、始業前の朝礼、終業後の終礼など、時間外になんとなくみんなでやっていることはないでしょうか。小さいことからでもよいので、拘束時間を短くできないか検討してみてください。