本当にやりたいことをやるために環境を言い訳にしない

2020年8月、レディー・ガガとアリアナ・グランデのコラボ曲『Rain On Me』のMV(ミュージックビデオ)発表の直後に「パロディをやりたい!」と思った時も同様。周囲の「コロナ真っ最中なんだから」「収束するまでおとなしくしてよう」という反対も、彼女の「やりたい!」という心の声には勝てなかった。

「いざやってみたら、コロナで時間を持て余した一流スタッフたちが、どんどん集まってきて。結果、通常だったら、お願いもできないような豪華メンバーになっちゃって(笑)」

本当にやりたいことに挑む際、周囲を取り巻く環境なんかにいちいち構っていられない。夢を諦めることに世界情勢だの、景気だの、タイミングだのは言い訳でしかない。嬉しそうな彼女の笑顔を見てそう確信した。

「あのね、ウソに聞こえるかもしれないけれど、アタシ、子供の頃からの夢が全部叶ってるんですよ。お笑い芸人になること。よしもと(吉本興業)に入ること。『笑っていいとも!』のレギュラーになること。コント番組のレギュラーをやること。ファッションブランドを作ること。そして、ニューヨークに来ること」

他人のアドバイスではなく自分の心の声を信じる

思い描いたモノは叶う。彼女はたしかに話してくれた。人からのアドバイス通りに生きたから、叶ったわけではなかった。

高橋克明『NYに挑んだ1000人が教えてくれた8つの成功法則』(KADOKAWA)

彼女との3度のインタビューから感じたのは、いつだって彼女は誰でもなく、自分の心の声を聞いて、その声に従ったということ。その結果が、今の“渡辺直美”を作ったということ。

「ビフォー・コロナ、コロナ真っ最中、そして、アフター・コロナ。それぞれの時期のまったく違う“ニューヨーク”を体感できて、幸せでした」

すべて顔の違うこの街を見ることができたのも、周囲の反対を押し切った7年前の留学経験があってこそ。

「(ニューヨークは)ワクチンの普及以降、また、みんな『働けぇー!』『取り戻すぞー!』みたいな勢いですよね。この街の復活劇を目の当たりにして、またこの街からパワーをもらいました」

そう豪快に笑う彼女からこそ、僕はまたパワーをもらえたのだった。

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