お笑い芸人の中で、役者としても期待できるのはだれか。ドラマ偏愛コラムニストの吉田潮さんが作成した「役者として期待する芸人ランキング」を紹介する。第1回は男性部門ベスト10――。(第1回/全2回)
金のトロフィー
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個人的願望込みの「期待度ランキング」10位は…

朝ドラも大河もNetflixも、お笑い芸人の起用が話題を呼んでいる。独特の風貌やたたずまいを活かしてピンポイント起用されることも多いが、うまい人はうまい。芸人ではなく俳優として認識される人も増えた。

もっと観たい、こんな役やってほしいなど勝手に妄想をこねくり回して、芸人で役者としての「期待度ランキング」を作ってみた。まずは男性編を。

うまいかどうかはさておき、ここ数年で1話ゲストや単発作品でも記憶に残った「適役」を記しておこう。本人にはもちろん、キャスティングした人の慧眼にも拍手を送りたい。

10位 力士役で魅せた矮小さと可愛らしさ 義江和也

「サンクチュアリ -聖域-」(Netflix)で憎たらしい先輩力士・猿河を好演。ムカつくのになんだか可愛らしい表情が印象的だった。その後も「ケンシロウによろしく」(テレ東)に力士役でちらっと登場。立ち位置としては、皆川猿時や小手伸也と重なる。「暑苦しくて愛くるしい役者」の激戦区ではあるのだが、力士以外の役も挑戦してほしい気持ちもこめてエントリー。

早く裸芸に見切りをつけてほしいR-1王者

9位 着衣で化ける、まさかの二枚目系 アキラ100%

全裸+お盆芸のイメージが強すぎて、服を着ていると気づかない、そんな特色を活かして多くの作品に出演しているのがアキラ100%。芸人では数少ない「爽やかで無害なイケオジ」を体現できることが発覚。

「おじさんが私の恋を応援しています(脳内)」(TOKYO MX)もなんだかエエ話だったし、無難に小綺麗で引く手あまた。芸人っぽくないのが逆にいい。なんとなく石田純一にも見えてきた。裸芸に見切りをつけて役者道を邁進してほしい。

8位 嫌悪感と巧みさにリアリティをもたらした 酒井健太(アルコ&ピース)

「シガテラ」(テレ東)の第8話で、ヒロイン(関水渚)をまんまと騙してやり逃げる弁当屋の先輩役。女性嫌悪と不憫な境遇のフリをして情に訴え、誘導する見事なクズっぷりを、酒井が地味に、でも完璧に演じきっていた。あれは震えたな。忘れられない。出演作品が少ないからこそ、今後の期待をこめて。