パパラッチの標的となったダイアナ妃と眞子さん
ダイアナ元皇太子妃がパリで亡くなったのは、1997年8月31日。それから25年という節目に合わせ、ダイアナ妃にまつわる2本の映画がつくられた。日本でも9月30日に公開されたドキュメンタリー映画『プリンセス・ダイアナ』と、10月14日に公開される『スペンサー ダイアナの決意』だ。
一足早く見ながら、ニューヨークで暮らす小室眞子さんのことを思った。ダイアナ妃と眞子さん、共通点が多いのだ。
一番わかりやすい共通点は、「王室(皇室)を出た後も、パパラッチに狙われている」だ。1981年、19歳でチャールズ皇太子(当時、現国王)と婚約以来、ダイアナ妃はパパラッチに追いかけられる人生だった。その過剰さに比べればましかもしれないが、眞子さんと夫の圭さんも十分に追われている。
有名人と一般大衆をつなぐメディアの問題
アーカイブ映像だけでつくられた『プリンセス・ダイアナ』の大きなテーマが、「パパラッチとダイアナ妃」だ。パパラッチのこんな発言がある。「俺たちは撮るだけ。買うかどうかは編集者。買うのは読者のため。こうなる原因は読者だ」。
パパラッチの向こうに国民がいる。その視点が貫かれている。だから街頭での録画や視聴者が参加するテレビ番組などを多用し、国民の声を伝える。夫妻の不仲が明らかになり、国民も支持が二つに分かれた。カミラ夫人(現王妃)の存在をめぐり、非難するダイアナ支持派と防戦から攻撃に転ずるチャールズ支持派。どちらもメディア批判を口にする。映画のパンフレットにはこうある。
ダイアナのドキュメンタリー映画を<なぜ、今>、製作する必要があったのか? それは、彼女の死が私たちに突きつけた有名人と一般大衆の関係、そしてその両者をつなぐメディアの問題が、SNSの発展によって、ますますエキセントリックになったからだ
これこそ眞子さんの問題だ。2021年10月1日、結婚の日取りと共に宮内庁が発表したのが、眞子さんの複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)。「誹謗中傷と感じられるできごとを、長期にわたり反復的に体験した結果」だという。