米国57歳 ドイツ54歳 英国53歳 中国50歳 日本60歳超

英国経済紙「フィナンシャル・タイムズ」のグローバルデータによると、CEO(最高経営責任者)の平均年齢はアメリカでは57歳、ドイツでは54歳、イギリスでは53歳、中国は50歳。日本は世界で唯一の60歳超えとなっており、高齢化が際立っている。

日本では海外に比べ、若い経営者による起業が少なく、平均年齢を押し上げている側面もあるが、何より年功序列の弊害の側面はあるだろう。だが最も厄介なのが、いったん権力を握ると、なかなか辞めようとしない経営者が多くいることだ。

ある程度の地位と名誉と金銭を得たのであれば、とっとと楽しいセカンドライフを送ってはどうかとも思うが、なぜかそういう発想にはならないらしい。その理由は後で詳述するとして、海外のCEOのリタイアメントライフとはどういったものなのか、アメリカの事例について、少し触れてみよう。

米国経営学誌「ハーバードビジネスレビュー」の「CEOのためのリタイアメントガイド」という記事によれば、アメリカのCEOの平均退任年齢は62歳。大企業に当たるフォーチュン500の元CEOのうち、

・4分の1以上はプライベート・エクイティ(未公開株投資)などに携わる
・半数以上が非営利団体でリーダー職に
・3分の2は学校や博物館の理事など、公的機関の役員に
・多くが教鞭をとり、本を書く人もいる
・ほぼ全員が慈善活動をしている

つまり、ほとんどの元CEOがこれまでいた企業を潔く去り、非営利の仕事などに携わって、「経済と社会の幸福に貢献している」のだそうである。

日本のエライ人たちは、なぜそこまでして「会社にしがみつく」のだろうか。これには少なくとも次の5つの理由が考えられる。

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