「勉強しなさい」と叱るのは逆効果

片付けや整理整頓が苦手な子どもたちがいます。それにはいろいろな要因がありますが、例えば子どもが自分で片付けようとしているときに「片付けなさい」と大人が余計なことを言って、しなくなる場合もあります。その言葉に従ったら、大人の言うことを聞くことになってしまうからです。

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これは「勉強しなさい」と言うことにも共通しています。「勉強しなさい」と言ったときに、もしそれで勉強をしてしまったら、親が言ったからやったということになってしまいます。そして親のほうは、「勉強しなさい」と言って子どもが勉強したら、「やっぱり言わなきゃダメなんだ」と思ってしまいます。そのため、子どもが勉強していなかったり、片付けしていなかったりしたら、ますます「何々しなさい」と言うことになるのです。

自分がやろうと思っていたのに、親に「やりなさい」を連発されるとやる気がそがれ、逆にやらないと意地を張ることもあります。これでは、逆効果です。大人が子どもにとってNGなことをして、子どもがやる気をなくしていることがいっぱいあると思います。まずは何も言わず大人が手本を見せ、子どもにいつか気づいてもらう。それしかないように思います。

読書感想文は本嫌いになる大きな原因

本を読むのが嫌いという子がいます。これは多くの場合、大人が本を読ませようとするから、嫌いになってしまうこともあります。

私も子どものころに言われたのが、「この本を読んで、隣の子は泣いたんだって。だから読みなさい」という言いつけの言葉。でもその本を読んでみても、泣けないのです。全く面白くありませんでした。それなのに親は、「どうだった?」と感想を聞いてきます。それで「可哀想だった」と答えると「たったそれだけか?」と叱られ、隣の子は天使で自分はおかしいのだと感じました。

夏休みに本を読んで読書感想文を書くという宿題が出ます。それも本嫌いにさせる大きな原因の一つだと考えます。読むのと書くのとは大違いです。書くのが苦手な子どもにとっては苦痛です。でも大人は、本を読んだら感想を言わせたり、書かせたりしたいのです。