「姿勢を正して」と言うだけでは伝わらない

イスに座る姿勢が気になるという保護者もいらっしゃるかと思います。でも子どもに「背筋を伸ばしてしっかり姿勢を正しなさい」と言っても、自分の姿勢は、自分では見えないのでどうしたらよいかわかりません。そのような場合は、例えば、背中をきちんと椅子にくっつける、足はこの位置にするなど、具体的に指示すればいいでしょう。

しかし、体幹が弱い子もいるので、姿勢が悪い原因をひとくくりにすることはできません。きちんと座ろうと思っても、体幹の筋緊張が緩すぎて、フニャッとした姿勢になってしまうという子もいます。

そのような子どもは、体幹を鍛えるようなトレーニングを試してもいいかもしれません。手軽にできるのは、立ったり座ったりするときに10秒かけながらゆっくり立つ、10秒かけながらゆっくり座るという動きです。実際にこれらの動作をやってみると腹筋や背筋、脚の筋肉をかなり使うことがわかります。そうすることで少しずつ体幹が鍛えられていくのです。

同級生の行動がわが子を変えることもある

子どもの勉強のモチベーションを保つためにはどのようなアプローチが有効なのでしょうか。

ある子どもの話です。小学5年生ぐらいのときまでほとんど勉強しなくて、成績も真ん中ぐらいでした。しかし、小学5年生の終わりぐらいからものすごく勉強するようになり、それから成績がグーッと伸びていきました。

何でも、仲のよかった友だちが有名私立中学を受験すると言い出したのがきっかけになったそうです。「中学受験って何?」と思っていたら、その友だちは一緒に遊ぶのを止め、急に塾に行き出して、長時間の勉強をし始めました。それでその子もスイッチが入ったそうです。

子どもにとっては、親よりも友だちのほうが、影響力が大きいことがあります。周りにそのような刺激になる子がいたら、大きなモチベーションにつながることもあるのです。そうした場合、親としては、コツコツ勉強している子や頑張っている子と付き合ってほしいと思うかもしれません。しかし「あの子と仲よくなりなさい」と親が言ってもそうはいきません。

ちょっと戦略的になるかもしれませんが、保護者同士が仲よくする方法もあります。頑張っているお子さんの保護者もきっと頑張っていらっしゃると思います。積極的に声をかけて仲よくなる、家族づき合いをする、そういうことがあってもよいかもしれません。